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「考える人」

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随分前に買っておいた雑誌「考える人」をやっと開く気に成った。
今季は、追悼特集で題して「さよなら、こんにちわ 河合隼雄さん」です。
巻頭は大好きな小川洋子さんとの対談でした。

小川さんは宗教家の家に生まれ育ったと言う事を聞いて、
読んだ本の世界を思い出し納得した。
不思議な世界観が時々顔を覗かせるのは、それであったかと・・・

中身の濃いい対談で、読むのも2度に分けて読む始末である。
1番「う〜ん」と唸って「ほっと」救われる思いがしたのは、
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『命というものはそもそも矛盾を孕んでいるものであって、
その矛盾を意識していくよりしかたないんじゃないか。』

『自分はこういう風に矛盾してるんだとか、
なぜ矛盾してるんだと言う事を、意識して生きて行く・・・
そして、それを誤魔化さない。』
忘れてはいけない事を書き出して居たら、全ページになってしまう。

先生は行きずまったりすると、ダジャレをおっしゃって気分転換を
なさるとお聞きしましたが、この対談でもそれを小出しに披露して
下さいました。
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[小ばなし]新幹線

患者さんと接する時にのぞみを持って傍にいる。
でものぞみがない時はどうするか?
「のぞみが無い時は、ひかりです。」と隣の方がおっしゃった。
そこで合点して「あっ、のぞみの次はひかりだ」って行ったら、
その人が「こだまが帰って来た」と・・・
笑い話の様でも、そこはこの方達の会話は凄い。

アインシュタインは、光は全てのものの中で1番速いと言ったが、
あれは間違いですよ。
「僕が太陽にお願いします。」と言ったら光は8分掛かるけど
僕の望みは、一瞬にして届く。
だから「のぞみはひかりより速いんです。」(笑
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のぞみを捨てない事の大切さを言ってあるんですね。

今朝の新聞に鎌田實先生の「なげださない」の新刊のお知らせが出ていた。
こういう人が出される本や、言葉を見ると今の日本がどういう時代を
迎えているかが分かります。

この対談は連続して行なわれる予定であった。
先生は、「次は小川さんの『ブラフマンの埋葬』の話しから
始めましょう。聞きたい事があるのです。」とおっしゃった。
(御存じの様に実現は果たせ無かったが・・・・・)

この本は私も読んで好きな物語だ。
先生は何をお聞きになりたかったのだろう?
小川さんも残念だったに違い無い。
by magic-days | 2008-01-28 11:57
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