「おひとりさまの老後」
マンションの紅葉が少しづつ始まった。
同じ種類の木でも、まだ青い木もある。隣同士でもそうなのだから
日当たりがどうのと言う問題ではないようだ。
今日は寒い上に雨も降り読書がはかどった。随分前から抱えていた
「おひとりさまの老後」(上野千鶴子・法研)をやっと読み終えた。
結論から言えば、親の介護をした経験が有る方にはこれと言って
目新しい事が書いてある訳でないから、
強いて読む必要は無い様に思うが、老後を初めて経験する人には、
それなりに役に立つかも知れない。
私の父は糖尿の合併症を抱えていて、母は看護が大変だった。
私はその頃高校生だったので、余り手伝いにもならず姉が家事をやっていた。
今思い出しても母が気の毒であった。
病気をしていたのは父だったのに、私は母が可哀相だと思った。
何故だか分からなかったが、今だったら分かる。
人の為ばかり働いて来た母が、自分の楽しみがこれからと言う時に、
それを阻んだ父の病気に同情が出来なかったのだ。
しかし、結婚して暫くして義父が脳硬塞で倒れ後遺症が残った時、
義母も自分を無くして看護に当たった。
もうその頃義母は70代であったから気の毒であったが
気丈であった。
(最後の2枚の写真は、最近良く行く井の頭公園の喫茶店。)
2人の女性の連れ合いの看取りに接して、そしてその後の生活を
見ていて私なりに自分の老後に対する覚悟みたい物が漠然と
出来てきていた様に思う。
それはこの本にも書いてあったが、いずれ1人の生活をする事に成ると思えば、
それなりの心構えをして精神的に独立した生活をする事である。
ある日急に今日から1人暮しと言うのは戸惑うし、放り出された様な
孤独感に参ってしまう。
1人暮しの食事とはどう言うものか?
1か月の生活費はどのくらいか?
近くの病院と顔なじみに成っておくとか、
何かサークルに入って顔見知りを作っておくとか
思いつく事を少しづつ準備しておけば、
いざそうなった時、冷静に迎え撃てる気がする。
高齢化社会と言われて久しい。
私が80代に成った時、隣もその亦隣も1人暮しの高齢者で、
同じ価値観の者同士が仲良く静かに暮らせるのでないかと
楽しく想像しているのだが・・・・
by magic-days
| 2007-10-16 20:51