『猫の神様』
何度か本屋さんで手に取っては、棚に返していた本を
とうとう買ってしまいました。
東良美季(とうら みき)さんの「猫の神様」を読み終えて、
やっぱり泣いてしまいました。
2匹の白黒猫(10才、11才の時の闘病記)との関わりが
愛情豊かに綴られている。
この方は、物を書く事において素人で無くその上自分で経験された
魂をえぐる様な悲しみや喜びを謙虚な気持ちで書かれているから、
読む人に訴えかけない訳が無いのです。
私が何度も躊躇したのは、きっと「もも」の事があるから、
他人事として読めないに違い無い。
今でも「もも」の気配を感じながら暮らしている私が
この本を読んで平静で居られる訳がないのだ。
しかし、今は読んで良かったと思っています。
子猫は何時かは老いと戦う。その時私はこの方の事を思い出して、
取り乱さず寄り添って、手を添えてやりたい。
自分で出来うる限りの事をしてやりたい。
「もも」はたった3才であっという間に、私に看病などさせる時間も
与えず逝ってしまった。
私が1番大変な時現れて、「なお」を招き入れ役目が済んだみたいに
神様の元に帰って行った。
そしてその後も「あず」を送ってくれた。
この方は猫は「猫の神様」からの預かり物だとおっしゃっている。
私も「もも」が逝った後、神様が貸して下さっていたのだと思いました。
猫は不思議な動物で、どうもそういう風に思わせる物を持っている様です。
この方の様に長い看病の思い出を頂いた方が良かったか、
私の様に数分で何も出来ずに見送った方が悲しいか?
それは、こういう風に書くのもばかばかしい程比べられる物でないし、
又くらべる物ではないと思う。
だって、その方と2匹の猫の関わりであり、私と「もも」の関係なのだから。
その方の思いであり、私の思いなのだから・・・・
ただ共通しているのは、今も身近に感じて生きていると言う事でしょうか?
そして会えた事を感謝して居る事です。
写真は、井の頭公園と公園傍の喫茶「立吉」
by magic-days
| 2007-06-04 21:02