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「小説を書くこと」

(三鷹駅前バスターミナル)
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1月14日
三鷹産業プラザにて、三鷹市と筑摩書房主催の津村節子さんの
講演会があり、行って来ました。
11月にこの方の「紅梅」に感動していた折に、市の広報誌にお知らせが出て、
楽しみにしていました。
入場は無料でしたが、先着150名と言うことなので開場時間の
30分前に行きました。
(この路の先が井の頭公園)
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開場時間までロビーで待たされましたが、その間ロビーは沢山の方が
静かに読書をしてあったのは、流石だと思いました。
私は前から3番目に座れましたが、後に立ってお聞きに成っている方も
あったそうです。

津村さんも話を進められる松田哲夫さんも、三鷹在住の方です。
市長のご挨拶が有り、ご両人が壇上に上がられました。
津村さんは80歳を過ぎられたそうですか、若々しくチャーミングな方でした。
本当に少人数の方に話される様に、静かな声で時々笑顔で
話されるお姿に好感が持てました。
(ツグミ)
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子供の頃病弱だった事。お爺さまかお父様の「明治大正文学全集」を
小学5、6年生の頃に全て読破された事。
意味も分からずただ活字を追う楽しみを見つけられたのでしょう。

大きく成られて、岩波文庫の[世界文学全集」を読む機会を得て、
これも全て読破、このときは面白くて読まれたそうです。
「カラマーゾフの兄弟」が1番心に残っていますと仰っていました。
(ツグミ)
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作品らしい作品を書かれたのは、洋裁店をやりながら、
外に遊びに出れなかった、子供時代を思い出して書いた「犬を連れた少年」で、
思いきって小さな出版社に持って行ったら、
その場で読んでくれて
「『最後のひと葉』と言う話を知っていますか?良く似ているね。」と言われ、
人まねだと思われたと感じ、がっかりしていたら、又書いて持っておいでと
言われたので嬉しかったと笑われた。
その頃瀬戸内寂聴さんも同じ出版社に作品を書いていて、
後に親しく成るきっかけとなった。
(モクレンの花芽)
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どんな時も小説を書き、書き上げた時の達成感とそれが評価を
受けた時は例えようも無い喜びだったようです。(広報誌より)
話の後半は「紅梅」の話になり、殆ど本に書いてある事なので省略します。
若い頃の本好きが高じて、本を書く事に移行して行ったのは、
極自然の成り行きであり、才能が花開いたのだと思う。
もし津村さんが病弱な少女でなく、外で元気で遊ぶ子供であったら、
本を読む時間は与えられなかったかも知れない。
そしてその才も開かず終わったかも知れない。
(カルガモ)
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余りある時間を、読書に費やした津村さんは、何かに導かれたのかも知れない。
会場に夫である吉村昭さんの本も陳列してあった。
私は未だ読んだ事は無いが、立派な人だったのだと改めて感じました。
吉村さんのご冥福をお祈りします。
そして津村節子さんのこれからのご活躍も期待します。
(ヒヨドリ)
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俳句の私家版の販売があり、サインもして下さると言われたが、
この日は娘の誕生日で、吉祥寺で待ち合わせているので失礼しました。
もしかしたら、「紅梅」もサインして頂けるかと持参したが、
この会の主催社と違うので、無理な話であった。(苦笑

  (追加)

津村節子さん略歴

作家。1928年、福井県生まれ。吉村昭は夫。
学習院短期大学部卒業。64年「さい果て」で新潮同人雑誌賞、
65年「玩具」で芥川賞、90年『流星雨』で女流文学賞、
98年『智恵子飛ぶ』で芸術選奨文部大臣賞を受賞
2011年「異郷」で川端康成賞
     「紅梅」で菊池寛賞
by magic-days | 2012-01-17 11:25
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