素晴しき哉、人生
久し振りにDVDで映画を観ました。
fusanさんのブログで紹介を受け、見てみたいと心が動きました。
それは1946年、アメリカで作られた「素晴らしき哉、人生」です。
何と私が生まれた次の年。と言うより終戦の翌年作られた映画です。
主演は「アメリカの良心」と言われたジェームズ・スチェワート。
(シジュウカラ)
私は途中まで見て前に見た事があった事に気が付きました。
「どこから?」
それは2級天使(羽を持たない天使)が、主人公が自殺するのを助けに来る場面です。
この天使がちょっとおとぼけでいい味しています。
どうやって彼を助けるか?
それは彼より先に冷たい冬の川に飛び込み、
彼に助けてもらう様にしむける事でした。
頭が良いです。人を助ける時に自分も難を被る。
こう言う事が出来る人は、勇気が有り助けられる身になれる人です。
この前見た時も今回もこの場面が1番好きです。
色々教わります。どんなに話し上手な人が人助けの講釈をしても
これ程私は納得出来ないでしょう。
この映画は、「幸せとは何か?」を問いかけています。
去年の東北地震を経験して大きな打撃を受けた今、
私達は「幸せとは何か?」と問い掛けられている様な気がします。
天使は、もし主人公が生まれてなかったら、この街がどうなっていたかを示します。
自分の存在の意味を知らされた主人公は、どんなに嬉しく励まされた事でしょう。
良い映画でした。
fusanさん、有り難うございました。
(ムクロジの実)
12月に読みました本にちょっと無理があるかも知れませんが、
表題に被ると思われますので、以下に続けさせて頂きます。
(ツグミ)
舟を編む 作 三浦しをん 光文社
これは1冊の辞典が完成するまでの物語です。
辞典を作る事を「編む」と言うそうです。
広い海の中に泳ぐ言葉を拾い集めて、あいうえお順にその意味を
如何に要領よく的確に載せるか?
その言葉は先ず、載せる必要があるか?
14年も掛かると要らない言葉が出てくる。
問題は次々と出て来る。地道な作業の毎日。
しかし彼らは、新しい辞典を作るために、家族の存在を忘れ、
自分の健康さえ省みず没頭している。
私は物語よりどうやって辞典が出来上がって行くか、
その方に興味が行って凄く面白かったです。
主人公のキャラも、然もあり何と言う設定で登場人物が
イキイキと動いていました。
出来上がった時、家族と共に喜び合う。
こういう人生もあるのかと思い知りました。
(ムクドリ)
君のいない食卓 作 川本三郎 新潮社
この方は1944年生まれ、文芸・映画評論の第一人者とある。
そしてこの本は「食エッセイ」の名品と位置づけてある。
私と同じ世代を生きて来た方だけに、「あ、うん」の呼吸で
物語の背景も匂いさえも漂って来る。
最近私が夢中に成る本は、ほとんどが同年輩の作家が書かれた本である。
(シジュウカラ)
母が作った三食弁当がおいしかった。
名も知らぬ漁港で食べた魚が美味かった。
その食べ物の思い出が、作った人や一緒に食べた人の
思い出へと導いてくれる。
亡くなられた奥様が、時々川本さんが食事の支度をしていると
生前と同じ様に、笑いながら
「何でも細かく切るのね。」と言うのが聞こえて来る。
(コゲラ)
「食は人に通じる」そんな思いが、其処此処に出て来て、
しんみりしてしまう。
それは悲しみでなく、ほのぼのと湯気の立つ食卓を前にする
川本さんの人生のスタイルなのだと思う。
1月2日朝7時
by magic-days
| 2012-01-07 17:14