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散歩の途中のお宅の、駐車場と住居の間に、
植えてある木蓮の木に、沢山の小鳥が停まっていました。
これは、12/12に撮影した物です。
この頃から、右目がイガイガしてたんです。(笑
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この時すでに木蓮に、花芽が付いていたんですね。
私の大好きな絵本作家の「いせ ひでこ」さんが、
大きな木のような人」の中で、
『秋は春のはじまりなんだ。』と書いている。
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「本当にそうなんだ!」
と思い当たる事がある。
春になると花々が咲く。
しかし、そう成るために木々は葉を落とす秋から
次の世代の準備をしているのだった。
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多分私達もそうしてるのだろう。
意識はして無いけど、次の世代のために心づもりは
しているに違いない。
バルコニーに来ているハクセキレイは、
もしかしたら、以前親鳥と一緒に来ていた幼鳥かも知れない。
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おかあさんが、「餌がない冬は、此処だったら有るからね。」と
教えてあちこち飛び回って教えていたのじゃないだろうか?
そんな事を夢見ていたい。

こんな冷たい雨の午後は・・・・・



あとがき

この「大きな木のような人」には、以前ここで取り上げた「ルリュールおじさん」の
女の子ソフィが、成人して登場します。

1つのテーマ(此処では、人間でなく樹齢400年のアカシアの木ですが・・・)を
追って書かれているのって、良いなぁと思います。
そして、こう言う少女を登場させて時の経過を見せるのも
素敵な事ですね。

以前の記事はこちら

’07,8月のハクセキレイの幼鳥はこちら



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                (本文中のカイツブリと関係ありません)
自然観察の部屋」が1/12現在更新しています。
何と!井の頭のカイツブリ新カップルに、卵が産まれました!
がっ、若い夫は・・・・・・

家は夫が一回り上ですが、このワカ(若い夫の事だそうです。)状態でした。(笑
シロ(年上の妻)、あなたの気持が良く分かるよ。
苦労するよね!(爆笑
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by magic-days | 2010-01-12 16:07
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’08「切羽へ」で直木賞を取られた井上荒野さんの
最新長編小説「静子の日常」を読み終える。
「切羽へ」は、私の回りでは、余り話題にも成らなかったようだが、
私はこの人の小説が、この作品で好きに成った。
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これと言って事件が在る訳ではない物語だが、
平坦な人間関係があり、何処かの町で起こっていそうな恋愛事件等
織り交ぜてある。
そんな異色な男女関係や、露骨な肉体関係の不必要な
状況場面が無くても、心の痛みや愛の深さが伝わって来て、
ある意味、もの凄いエロチズム等が伝わって来た。
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そんな前作の同じリズムを刻みながらも、
全く違う日常的な中のエロチズムを
75才静子さんの周囲で、ホツホツとくゆらすのは、
凄い才能だと思う。
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75才の静子さんは、まだ恋をして孫娘にまで、
「うちのおばあちゃんは、侮れない。」と唸らせる。
この物語は、3代の女性が主人公と言って良いと思う。
静子さん、嫁の薫子さん、孫のるかちゃん。
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それぞれの恋。それぞれの愛。そして人生。
何も特別な家族ではない。
極普通の家族である。
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その3人を動かしながら、読者を引っ張って行くのだから、
この人は、大した者である。
文学と言う物をちゃんと知っている人である。
そこはかとなく、淑やかで、媚びずに自分がこうと思ったら、
やり通す所は、多分この作家の性格なのかも知れない。
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静子さん=井上荒野さんなのだろう。
75歳になっても、こういう日々を歩くためには、
やはり、若い時からの人間形成が物を言うのだろう。
一朝一夕には、出来る事ではない。

そして、75才は「残る時間が無い!」と言う強みがある。
「進むか?退くか?」等と迷ってる暇はない。
進むのみである!
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後十年で、私も静子さんの寂しさや、心許なさが理解出来る様に成るだろう。
でも、それを廻りに悟られたらアウトなのである。
静子さんは、何時も晴れやかで、クロールで25メートルを
泳ぎ切るのです。
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by magic-days | 2009-10-07 10:42
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azuが珍しくベランダに出て行く。
一足出た所で、前に進まないで伺っている。
変化を感じないと、そろりと歩いて
睡蓮鉢の中を覗いてる。
魚でも居ると思ったか・・・
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「azu、その水飲んだらダメだよ!」と
声をかけると、振り向かず耳だけこちらに向けた。
猫の耳は面白い。
潜水艇の監視鏡みたいにくるりと動く。
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そんなazuをクールに見つめるnao。
この2匹の関係は、微妙絶妙である。(笑
仲が良いのか、悪いのか?
確かな事は、お互いの存在を認めていると言う事だ。

認めてもらえない子が約1名。(笑
でも、彼女は彼女なりに幸せそうに暮らしている。
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昼から図書館に行く。途中のスーパーの前にラブちゃんが2匹
繋がられている。
「ご主人さま、遅いです。何かあったのかしら?」
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「なーに、心配するこたぁないさ。」と
もう1匹が答えてる。(笑
最近動物の声が聞こえて来るんですよ。(笑
嘘です!
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夏休みが終わって、図書館は又静かに成った。
空いてる席を、直ぐに確保して読みふける。
気が付くと2時間近く読んでいた様だ。
家では、如何しても読書に集中出来ない。
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散歩を兼ねて此処迄歩いて来るのも丁度良いし、
帰りに途中の生協で買い物が出来るのも都合がいい。

今読んでる村田喜代子「ドンナ・マサヨの悪魔」は、
意外性があって面白い。
あと数ページで読み終わる。
娘のお腹の中の孫が、主人公に語りかけて来るのだ。
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その声色の不気味さから、彼女は「悪魔」と呼んでいるが、
其処には、愛情が感じられる。
婿さんがイタリア人で、そのキャラが好ましい。
村田さんは、私と同じお歳で福岡出身の芥川賞作家である。
9/27にBSハイビジョンで、彼女の原作「蕨野行」が
恩地日出夫監督で映画化されたのだが、それが放映される。
これも今から楽しみにしている。
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上の絵手紙はjyuntonanaさんが、今年になって私に送って下さった
絵手紙です。
こういうお付き合いに成って2年が経過しました。
忘れずに送って下さるお気持ちに感謝!
お力を戴いています。
今、夏のお疲れが出てらっしゃる由、
お大事に為さって下さい。

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9月の自然観察会は9/27日です。
参加者募集が始まりました。こちらです。
気の早い鴨が渡って来ているかも知れません。
皆元気に帰って来てくれるかな?


[追加]
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moyoの近況です。
私は、元気よ。
azuちゃんとは、馬が合わないと言うのかな?
ママも何とか頑張ってくれたけど、
合わないモノは、合わない。
仕方ないよね?
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そのお陰で、私この部屋戴いちゃった。
と言ってもおねえさんの勉強部屋なんだけど、
仕事の間は、大人しく見てるだけ、
触りたくてウズウズだけど、
見てるだけでも楽しいのよ。(笑
猫に分かるかって?
馬鹿にしないで、アートは私の専門分野よ!
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by magic-days | 2009-09-10 23:50
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一寸前の話しで恐縮ですが、三鷹台の駅から入った所に
絵本の古本屋さんがあります。
1度入ってみたい物だと思っていたのですが、
ガラス戸に絵本の表紙が貼ってあり、
中が見えないので、入るのに勇気が要る。
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だが、時満ちて機会が訪れましたね。
店の前にセール本が置いてあって、
娘が買うと中に入って行ったのです。
私もそろりと付いて入りました。(笑

主は、おじいさんでもおばさんでもなく、
綺麗な女性でした。(笑
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娘と主は気が有ったと言うか、合わせて下さったと言うか?
愉快そうに話していたので、私は店内を探索。
沢山の絵本を、綺麗に収納してあり、
汚れない様にビニール・カバーがかけてある。
「何かお探しですか?」と、声をやっと掛けて下さった。
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鳥の本が欲しいと言うと、
直ぐに薮内正幸の「野鳥図鑑」を取り出して下さった。
そして、もうすぐ吉祥寺美術館でこの方の原画展があると
教えて下さった。
話しているうちに、この方の本に対する知識の深さと
本に対する拘りが伝わって来た。
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ガラス戸に貼って有るのは、中の商品が日焼けしない為の
苦肉の作らしい。(笑

他にも欲しい本は沢山あったが、拘りの本らしく
古本と言えどお高いのだ。
薮内正幸の本は、一寸ブームらしく、
定価と変わらない。(苦笑
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美術館には、最終日の前日の5/22に行って来ました。
素晴らしかったです。

この方の絵は、もしかしたら愛鳥週間の広告(サントリー提供)で
ご覧になったり、切手、絵本の挿絵でご存知かも知れないですね?
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今同時進行で嵌ってるのが、この方ですね。
文章が大好きです。
鳥に対する気持ちも優しく、同等で対してある。
図書館の「暮しの手帖」でお会いしてから、
前回に引き続き「鳥と語る夢」を抱えています。

何かに興味を持ったら、あらゆる方面から責める。
これは私の物や人物に向かう鉄則でございます。(笑
1面から見ても、理解出来ないと思っています。
面数が多い程理解も深まるのではないでしょうか?


山梨の白州に
薮内正幸美術館があります。
1度行ってみたい者です。
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by magic-days | 2009-05-25 23:06
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初夏と思える様な日があったと思えば、
3月初旬の様な肌寒い日がある。
こういう桜の季節を送って、青葉が美しい時期に成っても
冷えが戻る事を、「青葉冷え」と言うそうです。
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青葉滴る玉川上水を歩いていると、
八重桜の美しい花びらの花道に会う。
踏むのが躊躇われる。

花の美しさを十分堪能して、
この若葉の出現は、本当に心憎い演出です。
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そろそろゴールデンウィークに入られた方、
又は5/2の八十八夜からの方と、
会社の事情で色々だと思います。

私は、働く事から遠ざかり自由な代わりに、
こういう時に遊ぼうと言う楽しみも無くなりました。
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昨日は定期診療日で半日、病院にいました。
図書館からやっと番が回って来た「わたしのマトカ」を
読みふけりながら、待ち合い室で薄日を背に受けて
いい気持ちで、片桐はいりさんの世界にどっぷり浸かっていました。
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「マトカ」とは、フィンランド語で「旅」を意味します。
以前「カモメ食堂」と言う映画で、現地ロケされた時の
とっておきの経験談です。
この方の目は、何時も興味津々で「何か面白い事ないか!」ですが、
本当にそう言う方でした。
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珍しい人や事が大好きで、そう言うモノに出会ったら、
絶対尻込みしない、アタック!アタックです。

この方はきっと1人で10人分位の人生を経験される事でしょう。
この本は、suukoさんのブログで知りました。(suukoさん、ありがとう!)
直ぐ図書館に申し込んだら2ヶ月待ちでした。
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でも意外と早かったのは、面白くて誰も延長せずに、
スムーズに運んだのだと思います。

さて、診察の結果は、良好で今迄家でも時々血糖値を測って
報告していたのは、しなくて良く成りました。
結構、面倒で止めたかったんです。
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でもそのお陰で、私の病気の性格が詳しく分かったのは
事実です。
又薬の処方の参考に成ったのも本当です。
この日も昼過ぎから、風が冷たく成りました。

1、8枚目の写真はヒヨドリ。
4枚目はシメ。
7枚目はカイツブリ。鯉の頭位の大きさです。
 カイツブリの餌は、やはり十分ではない様です。
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by magic-days | 2009-04-28 15:52
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以前ryoさんが、北九州文学協会文学賞を取られた事を
ブログに書いたと思うのだが、今回その受賞作品集が出て、
私にも送って頂いた。

受賞されたと伺った時から、読みたい物だと思っていたので、
嬉しかった。
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受賞作品は、「小説」「エッセイ」「詩」「短歌」「俳句」「川柳」の
6部門から成って居り、
ryoさんは、「小説」の部門の大賞を取られたのだ。

作品「夏の残り」は、12ページの短編小説である。
読んだ後、懐かしい様な甘酸っぱい思いが胸いっぱいに
込み上げて来た。
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主人公セツ子は、母親と2人暮らしをしていたが、
母が亡くなった後、同じ料亭の板前修業をしている12歳年下の
寛太が転がり込んで来る。
2人共孤独だったが、妙に気があって姉弟の様に見られる間柄だった。
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それでもセツ子は満ち足りて幸せだった。
ところがある日、寛太は自分が持って来た古ぼけた冷蔵庫の中に
セツ子の好物を作って、出て行った。

もともと寡黙な寛太だったが、こんな大事な事を決めるのにも
何の相談も理由も言わなかった。
セツ子は悩んだ末に、寛太が若い女と住んでいるというアパートに行く。
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そこで見た情景は、セツ子を打ちのめした。
一緒に住んでいたのは、両腕を失った飛び込み自殺を図った女で、
寛太はその時、その場に居合わせて、止めれなかった事で
自分を責めていた。

新聞に載ったその小さな記事を見ながら、寛太と話した朝の事が
甦って来た。
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寛太が持って来た冷蔵庫が放つ雑音、寛太が買って来たメダカ、その水槽、
掃除機、小道具の扱いが旨く、それが2人の気持ちを良く表していると思う。

1日1日をゆっくりと自分の気持ちを確認しながら行きている寛太。

セツ子も同じ料亭の仲居をしながら、何の夢も無く、
この侭ただ年を重ねて行くだけの様な生活だった。
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だが寛太が来てから、この子が1人前の板前に成った時
店を出す足しにしてもらおうと貯金も始めていた。

それでも、いつかこの子は出て行くのじゃないかという思いは、
何処かに有ったと思う。
このままで良いと思っていなかったのじゃないかな?
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若い女も自殺するくらいだから、幸せではなかった。
この子は両手を失い。
寛太は料亭の板前に成る事を捨て、マグロ工場で働く様になる。

しかしこの2人は、もう孤独でなくお互いの生きる場を
探し当てた。
踏切場に居合わせた時から、この2人の運命の歯車は、
絡み合っていたに違いない。
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幸せになるのに、こんな犠牲を払わなければ、いけない物なのか?
貧しくて懸命に生きてる者程、何かを捨てなければ、
生きて行けないのかと思わされた。
(作者はどう思ってあるかは解らないです。私の感想です。)

だからこそ、大事に自分達の生活を守って行くのだろう。
セツ子は、2人より強い女なのだろう。
出て行く寛太を泣いて止める事も出来なかった。
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12歳年上と言う弱みもあったかも知れないが、
それでも、こんな日が来ると何処かで、諦めていたのかも知れない。

それでも、2人のアパートから帰って来て、寛太の置いて行った
冷蔵庫のコンセントを思いっきり引き抜き、
その後の静寂と夕闇の設置は、心憎い物があります。
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ryoさんの小説を読んだ後、何時も私の中で登場人物が住み着き
生活している様な気がします。

今頃、セツ子はどうしてるだろう?


この文学賞の選考委員長は、あの「復習するは 我にあり」の
佐木隆三です。
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by magic-days | 2009-03-14 20:38
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先日アカデミー賞短編アニメーション部門で受賞した「つみきのいえ」は、
去年の秋に白泉社から絵本として、出版されています。

その時は、本当に心が安らぐ子守唄の様な印象を受けましたから、
こういう晴れがましい場所で、脚光を浴びられた事を知って、
驚きもし、嬉しくもありました。
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絵本は、春の陽の柔らかな日向に咲く、タンポポの様な素朴な色合いです。
手で触ると、ふわっとした猫の毛を撫でている様な心地よい
気分に成ります。

そして目を閉じると、何処か赤ちゃんのミルクの匂いがして、
母に抱かれた幼い日が甦って来ます。
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時々昔を懐かしみ帰って行く事が、又明日への希望と
確かさに繋がる様な、そんな事を教えてくれた本でした。
何時か、アニメーションを見たいと思います。

「おくりびと」も外国語映画賞を受賞した様で、
本当に嬉しい事です。
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私は「おくりびと」も見て居りませんが、色々な批評や粗筋を
拝見しました。

どちらの作品も、日常私達の身近に存在する事であり、
それでありながら、何か見落としていた大切な事を、
教えてくれる様な、掌の中の1粒の艶やかな木の実のようです。
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掌深く存在していながら、不覚にも忙しさや欲に絡んで、
忘れていた物が、甦って薄い膜が剥がれた様で、
これからの余生を、大切に育んでいけたら良いと思いました。


「つみきのいえ」

絵 加藤久仁生  文 平田研也
白泉社

アヌシー国際アニメーションフェスティバル   クリスタル賞 子ども審査員賞
広島国際アニメーションフェスティバル     ヒロシマ賞  観客賞
その他多くの国で賞に輝きました。


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[カイツブリ子育て奮闘記]

27日のカイツブリが井の頭自然観察から、更新されました。
雪の中ママの所迄餌を貰いに行くヒナ!
シロは良妻賢母?
クロは、子供も出来たのに
独身貴族を気取ってるダメパパ?(笑

シロがママ、クロがパパで解釈あってます?

どうぞ、人間顔負けの子育てをご覧下さい!
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by magic-days | 2009-02-27 16:04
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この「人生の落第坊主」には、「照葉樹」で先日「トワイライト」を
送り出された水木怜さん(ryoさん)の作品が納められてる。
’04年版ベスト・エッセイ集である。
編集は、「日本エッセイスト・クラブ」。
『このクラブは、昭和26年6月に結成された、
この種のものとしては我が国で最も権威ある組織である。』と
裏表紙に明記してある。
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それを裏付ける様に、納められてる作品の著者は、
佐藤愛子、中野孝次、五木寛之、篠田正浩、平岩弓枝、角田光代、三浦哲郎
と名だたる顔ぶれである。

ryoさんは、「私はその中で小さくなってる。」と
謙遜しているが、中々如何して堂々たるものである。
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題は「にぎやかなフライパン」
昭和20年の3月のお父上の戦死からお話は始まる。
私は、以前からryoさんと何か感じる物がありました。
同じ場所で私達は年代は違うけど、生活していたのです。
今迄に幾つか確認済みでしたが、
新に又発見しました!(笑

戦時中疎開していたのも同じ県でした。
そして引き上げて来たのも同じ県でした。
この事は、この本で初めて知ったので、
ryoさんもきっと驚かれた事でしょう。
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ryoさんのお母上のそれからの苦労を、
湿っぽくなく、まるで私は若草物語を読む様に
爽やかな暖かい家庭の物語として拝読しました。

物資の無い時代に、おかあさまは少ない食材で工夫して
女の子3人を育てられたのです。
和食では、カロリー不足になるので、
フライにしたり、炒めたり。
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そんな生活の中でも、クリスマス等のイベントは、
庭の樅の木を掘り起こして、部屋に据えて飾り、
貧しくとも楽しい日々を作って下さったのです。

それは、まるでフライパンの中で揺れる色とりどりの
食材の様です。
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お母上は、13年前にお亡くなりになりましたが、
今もryoさんの心の中で、鮮やかに生き続けてあるのです。

私の母も34年前に亡くなりましたので、
亡母への限りない思いは、同じでございます。
母が亡くなった年に段々近付いて参りますと、
親として子を思う気持ちが、切実に感じられ、
感謝の気持ちでいっぱいです。
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ありがとう!
戦後の混乱期を乗り超えて、
私達を育んでくれた
お母さん達!!
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by magic-days | 2009-02-10 22:21
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人間は、何時かは死ぬ。
分かりきった事だけど、私は忘れている事が多い。
しかし、最近家族を残して私が先に逝った事を考えると、
こんな私でも、居なくなればどんなに淋しく困るだろうと
思うと、元気で居なければと思う。
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反対に家族が先で、私が残った事を考えても、
それ程切迫感が無い。
どうにかなるだろう。
どうにでもして私は生きて行けれる。
何処からこの自信は、来るのだろう。
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何の根拠も無い自信である。
私は只、私の為に悲しんだりして、立ちすくんでる家族の姿を
見たくないのだ。
もう、なぐさめたり力付けたり、笑わしたり
出来なくなった、ただ1つの魂だけが浮上してるだけなのだ。
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この3枚組2セットの写真は、気まぐれさんのブログに
アップされたアオクビアヒルと白いアヒルの愛の物語です。
仲睦ましい2羽での日々。
アオクビアヒルに近付く鴨を追い払う白いアヒルさん。
2人並んで何を話しているのでしょうか?
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ある日、何時もの場所に来てみたけど、
白いアヒルさんは、姿を見せませんでした。
実は、白いアヒルさんは怪我をしていたのです。
そして、次の日も次の季節も白いアヒルさんは、
姿を見せませんでした。
1人佇むアオクビアヒルさんは、
何を思っているのかしら?
この写真を見る度に、私は涙が滲んで来て
困ってしまいます。(笑
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去年の始めに私は城山三郎さんの「そうか、君はもういないのか」
読みましたが、先日ドラマ化されて放送されました。
奥様が逝かれて1人海辺を歩きながら、
つい、隣を奥様がいる様で「おい」と呼びかけて
現実に返り淋しく笑われた場面が、
1羽で佇むアオクビアヒルさんとオーバーラップしてしまいました。
1人残るのは、辛いに決まっている。
それは、人間でも鳥でも、猿でもライオンでも
同じなのだと言う事を、私は忘れないでいようと思います。
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by magic-days | 2009-01-17 22:48
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先日ご紹介しましたBS2「私の1冊」の最初の頃にありました
内田百閒の「ノラや」を読み終える。
この本は、昭和31年から45年迄に「小説新潮」に連載になった
「百鬼園随筆」の中から14タイトルを、
1冊の単行本にした本です。

内田百閒先生がふとした事から、迷い込んだ子猫と暮らす様になるのだが、
1年半経った3月27日にふらっと家を出たきり帰って来ない。
その日から、始まるノラへの追慕と追跡の日記が、
綿々と綴られている。
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何月何日
「それらしい猫が今家の庭に居るから、見にいらっしゃい。」
と言われて行ってみるも、尾が少し短くて違う猫だった。

何月何日
「この間家の庭で死んでいた猫を、庭に埋めたがお宅のノラに
似ている。掘り起こしてみますか?」
と電話があり、家内がKを連れて行って掘り起こしてみたが、
みな迄掘らなくても、尾が違っていた。
こういう事が書き連ねてある。

または、「ノラが今如何して居るだろう」と思うと、
帰りたくとも、帰れないでいるのではないかと思うと、
可哀想で仕方が無い。
と言って涙が出るのをどうしようもない。
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とこんな風で、読んでるのも段々退屈で苦笑いも出てくる。
しかし、これが半分も過ぎる頃、私はこのリズムが気に入ってしまった。
そして、この単純な文章の中から、内田百閒先生の愛すべき
キャラクターが浮き彫りにされ、尊敬の念さえ頭をもたげて来る。
こういう言い方は失礼千万であるのだろうが、
私は内田百閒先生を、存じ上げないのだから許して下さい。

私もウチの「なお」が家を出た事が有って、ポスターを貼ったり、
近所を名前を呼んで探した経験があるから、
この先生の気持ちは良く分かる。
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ノラを探してるうちに、そのドサクサに家に入り込んで来たのが、
ノラそっくりのクルで、この猫は6年余り共に暮らすが、
大分老いていたらしく、先生と奥様に手厚く介抱されて亡くなり、
庭の支那鉢の後ろにミカン箱に入れられて葬られる。

その後、その辺りから首に付けてやった鈴の音が、
聞こえて来る。
「クルや、お前か・・・」
その呼びかけの優しさ。
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5年前「もも」が亡くなった直ぐに、この本に出会えなくて良かったと思う。
私も泣いて泣いて読めなかっただろう。

内田百閒先生は、決して猫好きではない。
ノラとクルが好きなのだと記してある。
正直な気持ちだと思う。
それほどに、ノラとクルとは、対等な思いで暮らしたのだろうと思う。
親しかった肉親を亡くした様な気持ちなのだと思う。

先生は、それっきり猫を飼われなかった。
もうそんな余分な情も力も1人の人間には無いと言う事か?
「ノラとクルに使い果たしたよ。」と言う最上の愛の告白なのだろう。

この内田百閒先生をモデルにした映画「まあだだよ」が、近々BS2の
黒澤明没後10年の特集で放送されます。

映画は原作を超えるか?!
楽しみです。
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by magic-days | 2008-12-23 20:31
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