(ヤバネススキ)
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先日伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」を読んで、
もう1冊読んでみたくなり、それならば映画にも成った
アヒルと鴨のコインロッカー」だろうと思った。

しかし、一寸当てが外れてしまった。
私の好みではなかった。
読み終わった後残るのは、感動でも感激でもなく、
只空しかった。
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現在と2年前の物語が、1章毎に進んで行く。
登場人物は重複してる人も居るし、
現在では現れない人も居る。

各々語り手が居て、現在は椎名(男)と言う大学生。
2年前の語り手は、琴美(女)ペットショップの店員。
共通点は、同じアパートに住んでいた。
椎名が引っ越して来たときは、琴美は住んでいなかった。
(百舌)
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過去と現在に現れるのは、椎名の隣の部屋の河崎?(男)。
(この?マークには意味が有ります)
以前琴美と同居していたブータンから留学して来ているドルジ。
そしてペットショップの店長麗子。

この5人が主要な登場人物。
琴美はペット殺しの3人組を追っていた。
ペット殺しは、ペットで飽き足らず人間をターゲットにしようとする。
最初に狙われたのが琴美。
(萩)
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河崎は、付き合ってる女性からエイズに感染し、知らない内に
他の女性に移してしまったと言う罪悪感と、自身が抱えている
ウイルスに失望している。

読んでいて、なんて無鉄砲でせっかちで、自分の命を大切にしないのだろうと
悲しさだけが、増幅して行く。

ブータンから来たドルジだけが、何時も達観して飄々と
泳ぐ様に生きている。
しかし、彼は河崎から日本語の個人教授をしてもらい、
日本人と間違う様に喋れる様になる。
それが、間違いのもとなのだけど・・・・
(白萩)
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映画を見られた方や、既に読まれた方はお分かりだと思うけど、
でもやっぱり、筋は最後迄書かない事にします。

ただ、何故2年前から現在迄時を追って、話を進めて行かなかったか、
ややこしく、現在と2年前を行ったり来たりさせたか、
それが謎解きのキーポイントでしょうか?
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作者は因果応報とか輪廻と言う事を、登場人物に頻繁に言わせている。
そしてブータンに対する憧憬が見え隠れする。

ボブ・ディランの歌が、随所に現れるが、本からはこの歌を
知らない人には伝わらない。(私は、知らないから問題にならない)

似ているけど違うと言う事を、言うために
鴨とアヒルが登場している。
コインロッカーは、神様を閉じ込めた場所。(笑
その中で、ボブ・ディランが何時迄も歌い続けている・・・・

若い人の本は、不思議で不可解な事がいっぱい。
もう、付いて行けないかな?(苦笑
次は,頭を静めるために年相応の本を!


(10/9 9.463歩  10/10 4.993歩  10/11 13.839歩)
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by magic-days | 2010-10-12 20:18
(ジンジャー)
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一寸前に三浦哲郎さんの「おふくろの夜回り」を読んだ後で、
新聞に三浦さんのお話が掲載された。
三浦さんは脳梗塞の後遺症で、最近は小説が書けなかったが、
お姉さまの事を今度書いてみたいと仰っていた。
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ところが7月に肺炎で入院されて、それは果たされなかった。
私はその代わりとして、何か三浦さんの本を読んでみたいと思った。
考えて見て、それならばやはり「忍ぶ川」だろうと思った。
芥川賞受賞作品であり、それだけの品格のある本である。
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私は久し振りに文学に浸った様な気がした。
自分の生きて来た道を、気負いなく又飾らず、
それ以上でも以下でもなく書き残す事は、
難しい事ではないだろうか?
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2人の姉を自殺で失い、2人の兄は失踪し、
北国の狭い世界で肩身の狭い家族であった。
父親が病気で亡く成った時、主人公は初めてお寺や近所に
悲しい顔をせず、病気で亡くなったと知らせに行く。
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父が人並みな死に方だった事が、彼の救いだったのだ。
滅びの血が自分に流れていると思い。
自分もどんな死に方をするか、分かったものでないと
彼は恐れていたのだ。
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自分の親を知らない事も、不安かも知れないが
まともな死の形を、知らないのも不安だろう。
何に向かって生きて行けば良いのか!

三浦さんは、この本を書く事により不安を打ち消し、
自分の生きる道を探していたのかも知れない。
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「忍ぶ川」を読んで「おふくろの夜回り」が、
本当に目の前に鮮やかに現れて来た感じがしました。
この本の最後に姉上さまの事が書かれていました。
私は次の本が出るのを楽しみにしていましたので、
残念で仕方がありません。


                        8月29日  死去   79歳
安らかにお眠みください・・・・・
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(9/27 7.766歩  9/28 10.119歩  9/29 15.459歩
 9/30 4.059歩)
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by magic-days | 2010-10-01 21:21
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本屋さんで、またまた表紙に惹かれて手に取ったものの、
若い作家(伊坂幸太郎)の本だったので、理解出来るか不安で
棚に戻そうとしたら、娘が
「時には若い人の本も読んでみたら・・・」と言うので、
連れて帰る事にした。(笑
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読み始めは、「やっぱり・・・」と後悔した。
意味不明な事が多かった。
何でか知らないけど、主人公は身柄を拘束されているらしく
何時も道徳心の欠片もない、レスラーみたいに大きくて
力持ちの女が監視として付いている。

途中で分かったのだが、主人公星野ちゃんは、景気のいいときもあったが、
今はすごい借金が払えず、何処か遠くに連れて行かれて
働かされるのかどうかその辺も怪しい。
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兎に角バスが来て、星野ちゃんはギアナだったか?
テーブルマウンテンみたいな所に置いて来られ、
もし帰って来られても、人間とはもはや呼べない生物に
成っていると、繭美(監視)は脅している。

脅して喜んでいるのか、事実なのか分からない所が更に恐い。
星野は、バスに乗る前に今付き合ってる5人の女性に、
別れが言いたいと幹部に頼む。
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ボスは面白いからやらせてみろと繭美にいう。
彼女は仕方なく、星野が5人の女性に別れを告げる現場迄付き添い。
チャチャを入れて喜ぶ。

1度に5人の女と付き合う男なんて、どうせろくな男じゃないと
思って読んでいたが、星野ちゃんはとてもいい人だった。
1人1人に誠意を尽くし、別れを告げて行く。
自分のこれからより、これからの女性の日々を心配する。
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それを側で見ておもしろがっていた繭美も、
少しづつ星野を見る目が違って行く。
恋愛関係には全く成らないケースの2人だが、
2人の魂が少しづつ寄り添って行く、その過程が実に上手く
こちらに伝わって来る。
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繭美は、2人の関係を「銀河鉄道999」の謎の女と少年に例えて話す。
「お前の身体を、大きな機械の螺子1個にするために、
バスに乗せるかもしれないんだぞ」と脅しながらも、
最初の頃と少しニュアンスが違って来ている。

繭美が動く描写がとても上手くて、私は靴音とか走る姿を
思い浮かべる事が出来、後半以後はとても好意を持てる様に成った。
本能で行動するから、理解に苦しむ所もある人だが、
何か理解出来ないが、この人にはこの人なりのポリシーがある。
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星野ちゃんも繭美も、5人の女性達も現代の社会に、押し出された様な人たちだけど、
決して人を押しのけたり悲しませたりしない優しい人達だ。
一寸変わった人ばかりだけど・・・

とても愛に溢れていて、読み終わった後「ターミネター」と「銀河鉄道999」を
見たいなぁと思ってしまった。

因にこの題のブラックバードは、不幸とか不運だそうだ。
「さよなら、不幸」と言う事だから、ラストがどうなるか、
お分かりになると思います。

ryoさんが「ブラックバード」の歌をYouTubeで探して下さいました。
けだるくって、良い歌です。
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*******************************************

ご報告
8月にブログに書きました井の頭整備計画
その後が朝日新聞に掲載されました。
そして先日のかんさつ会で直接交渉に当たられたTAKANOさんから
ご報告がありました。
TAKANOさんは、この地区は絶滅危惧種の鳥が、渡りの途中に
羽を休める、大切な場所である事を強調し、今迄の観察記録を
提出されたそうです。
それが認められ、敷地の後方部分の林の部分が残される事に成りました。
本当に良かったです!




(9/21 11.146歩  9/22 6.795歩  9/23 6.413歩)
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by magic-days | 2010-09-23 23:22
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親鸞・下巻読み終えました。

読み終わって思う事は、五木さんは今の世の中を
嘆いてこの本を書かれたのじゃないだろうかと言う事です。

時代は随分遡りますが(平家,源氏、後白河時代)
社会情勢は非常に似てます。

貧富の差が大きく、世の中は乱れ、親が子供を殺し、
子供は老親を見捨て、働く場所も無く、家も無く、
河原乞食がその辺を徘徊している。
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親鸞は山を下りて、念仏を唱えれば、どんな罪も許され
極楽往生出来ると唱える、法然上人の説話を百日通って
聞きに行きます。

弟子になり、接するうちに法然上人の思いの深さに感銘し、
生涯の弟子と成るのです。
知識がある者に、法話を説くのは簡単だが、
親鸞達は、貧しく学問も無い人々が相手であるから、
易しい言葉で分かりやすく話す事(易行念仏)の難しさに悩む。
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説く者が、本当に理解していなければ、相手も理解出来ない。
此処で悩む親鸞の姿は、五木寛之さんの姿の様な気がします。

この本で選択(せんじゃく)に付いて
こう書かれています。
『選択とは、自ら選び取ったと言う事だけでなく、
 むこうから選び取られた・・・・』
昔、教会に通っていた時、これと同じ様な事を聞きました。
『あなた方がキリストを選んだのでなく、キリストがあなた方を
 選んだのです。』
洗礼の日だったと思います。
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親鸞は、何事も自分の思った通りには成らない。
決められた事を受けて、信じてお任せすると言う事を
実践した人です。

この本の中でも、死体を川に流す場面が何度か出て来ます。
私は、遠藤周作の「深い河」の、その場面を思い出してしまいました。

親鸞は最後には、大きく成り過ぎた念仏に圧力がかかり、
死刑に成ったり、流刑にあったりして事実上信徒はバラバラに成りますが、
親鸞は流刑先の越後に妻と共に旅立ちます。
未知の地に念仏を広め、貧しく罪多き人々を
救うために夕焼けの空を眺めて浄土の世界を見るのです。
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昔日本にもこんな強い宗教があり、
それが、地位あるものとか、富者のためでなく、
貧しいが故に罪を犯した人や、身体を売って暮らす女に
救いの手を伸べた人たちが居た。

何故、今この日本にこの様な宗教がないのか不思議です。

この本は、一見娯楽時代小説のようであり、
また、迷う人々に指針を照らす小説であると思います。



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この何日か涼しい日もあり、夏の花の片付けなどし、
秋植えの花のために苗床を用意する。
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そして、夏の間もいで冷凍しておいたイチゴとブルーベリーで
ミックスジャムを作りました。
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観賞用のイチゴですから、粒が小さく去年は殆ど放置してましたが、
suukoさんだったと思いますが、「ジャムを作られたら?」と
助言頂きましたので、作りました。
250グラムで、430グラムのジャムが出来ました。
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早速ヨーグルトに混ぜて頂きました。
「おいしい!」
来年は、食用イチゴを作ります。(笑


(9/8  6.721歩   9/9 11.535歩  9/10 10.993歩)
 
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by magic-days | 2010-09-10 23:22
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この「親鸞」も、自彊術のお教室で回し読みされて
私の手元に来たものです。
本屋さんで何度も見かけたのですが、
遂に買いませんでした。
回し読みと言う物は、自分が買って迄読みたいと思わなかった本が
巡って来ます。
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この本が巡って来たときは、五木寛之さんのご本と言う事で、
小難しく哲学的な内容ではないかと、
余り期待していなかったのですが、
読むうちに、我を忘れて一気に読んでしまいました。
幼年期から29歳迄の親鸞の青年期が、
瑞々しく描かれています。
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一途に仏の修行に励んでいた範宴(はんねん・親鸞仏門に入った時の名)が、
ある時、「仏とは何だ?」と言う疑問を持ちます。
誰にも言えない悩みです。
そんな事を口にしたら、笑われるか呆れられるか、怖がられるか、
全ての僧が、この問いに答える事は出来ないのですが、
絶対にそうと悟られない様に誤摩化しながら、
次のステップに上がって行くのですが、
範宴には、それが出来ません。
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それは一生を掛けて見付ける問いであるから、
これからもその問いを抱えて、
生きて行けば良いのだと師も助言するのですが、
納得がいかない範宴は、修行の場の比叡山を下りて、
雑多な人々の生活の場に降りて行きます。
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それは、僧としての栄達のコースから外れて、
聖として生きて行く事に成るのです。
頭で考えていた仏の世界から、身体で直に感じる仏の世界に
舞い降りて行ったと言う事でしょうか?

私には仏教世界の事が分かりませんが、
この本と平行して、外出時にバックの中に入れて持ち歩いている本が
今は遠藤周作さんの作品を編集した「神と私」です。
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まるで水と油位違うと思われがちな宗教世界の様ですが、
共通点が多い事に驚きました。
それは多分、遠藤周作さんと五木寛之さんだから、
こういう不思議が起こるのでしょう。

1つの事を深く突き詰めて行く事の難しさ、恐ろしさ
簡単な様な、常識で知られている様な事が、
ひとたび1人の人間を捉えた時、それは底なし沼の深み迄
引っ張り込みその人の人生迄食いつぶす。
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しかし、範宴の顔は喜びに溢れて行くのです。
9歳の頃から修行した比叡山を下りて、範宴がどのように生きて行くか
下巻が楽しみです。

9/3に鱗雲が空いっぱいに広がっていました。
未だ暑い日が続いて居りますが、慰めてくれる様に
時々秋の顔が覗きます。
楽しみな秋、こんなに待ちわびた事は有りません。


(9/3  7.250歩   9/4  8.927歩   9/5  9.657歩)
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by magic-days | 2010-09-05 22:14
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常に世の中に、一石を投じ続けている
櫻井よしこさんの自伝と言って良いのだろうか?

2005年に発行されています。
第1章  しっかり物を見なさい。ー母がくれた宝物
     ベトナムで終戦を迎え、日本に引き上げて、
     ハワイ大学に入学する迄

第2章  私達は2番目なんだー父からの自立
     ハワイ大学時代。ハワイに出向していた父の事業の手伝いをする。
     卒業前のアメリカ旅行、そして卒業。

第3章  一体、何になりたいのかージャーナリストへの道
     日本に帰国、就職活動、通訳、新聞記者、
     テレビのニュースキャスター、
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3章から成り立っているが、それはそのまま櫻井よしこさんの
人生の転機点であると言って良いでしょう。
全文に登場人物への気配りが伺えます。

書くきっかけは、2001年に、お母様と産まれ故郷ベトナムを
訪れた時に、母上から父上の事を聞かされて、
その話を書き留めるつもりで書かれた
「コンプリート・ガイドブック インドシナの秘宝」の
『旅のエッセイ』がきっかけと成ってこの本が書かれた。
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それだけに、お母様への愛に溢れた本です。
しっかり為さった方で、戦後お父様が一方的に出て行かれて、
女手一つでよしこさんとお兄様を育て上げられた。

お父様と言う方が変わった方で、伴侶の価値を自分の事業欲を
満たす人に認めると言う人の様でした。
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お母様は、お父様に離婚歴があると知らず、ベトナムで結婚されました。
お母様もお仕事を手伝い、大きな富を築かれ幸せな日々でしたが、
敗戦が全ての富を奪いました。

引き上げて来て、お父様は新に事業を始めるために、
よしこさんの家族を捨て、子供の居る料亭の女主人と結婚します。

よしこさんが日本で、大学受験をして居たにも関わらず、
ハワイ大学に入学したのは、お父様が入学金を送って来なかったので、
ハワイで事業を始めたお父様を手伝いながら、
大学に通うためでした。
しかし、金銭的な援助は受けられず、奨学金を受ける事に成ります。
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お母様とよしこさんそれにお兄様は、
決して自分たちの境遇を、不憫がらず、
常にお母様が「何があっても、大丈夫よ!」と言う言葉に支えられて、
前向きに生きて来られた事が、今日の櫻井よしこを育て上げたと言っても
良いと思います。

それにしても、母とは何と偉大なのでしょう。
自彊術の先輩達と、「私達は、どうだったかしら?」と言って
苦笑いをしてしまいました。
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今若いおかあさんが、酷い事を我が子にしているのを聞くに付け、
私達年代の子育てが間違っていたのか?
それとも、バブルが間違った価値観を植え付け、
今の経済が、その価値観を満たさないのが原因だろうかと
首を傾げました。(しかし、これは理由に成らない。)

私達の母の時代は、貧しさで言えば今以上でした。
それでも、子を慈しみ育ててくれた。
それとも1度厚いステーキを食べた人間は、
麦飯もイワシの煮たのも食べられなく成るのだろうか?
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何と不幸な事だろう。
幸せはお金では買えない。
幸せは、皆で食卓を囲み今日1日を思い返し、
家族の顔を眺めて、健康を感謝する事ではないだろうか?

藤沢周平の作品によく「足るを知る。」と言う言葉が出てくる。
正にこの事を忘れてはいけないと、
己に言い聞かせる。
奢り高ぶるにあらずと戒める。



ただ今、自彊術の教室で本が巡っていて、私の興味ある本が多い事に
感謝しています。


(8/23  14.113歩  8/24  7.331歩  8/25  8.263歩)
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by magic-days | 2010-08-28 16:03
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ryoさんがお友達と出してある「照葉樹」が、今回で9号を迎えました。
今回の作品は「ルイ子の窓」
送られて来て初めて見た時、この題から私は安易に
若い娘の恋愛ものと思ってしまいました。

ところが幾ら読んでも若い娘等出て来ない。
中年の手慣れた精神科医の日常が、丁寧に描かれている。
しかしこの医者に、私は好感は持てなかった。
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如何にも上から目線の患者の扱い。
頭の中で考える患者をどう扱おうかと計算する当たりは、
嫌悪感さえ感じる。
私は読み進むうちに、気が付かなかったが、
作者の思うつぼに嵌って行っていたのです。
怠惰な惰性の日々の中で、気分転換に寄るCDショップや
飲み屋での息抜きも、「何やってんだろう?」と言う思いで見ていた。
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その生温い空気感が一変するのが、
飲み屋で知り合った、何か心に危ういものを抱えた
ルイ子との出会いであり、
「ルイ子の窓」を見せられた時である。
主人公も打撃を受けたかもしれないが、
私も衝撃を受けた。
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目の前に突然、ダァーと流れる大滝の壁にぶつかった様な、
(この場合音は消音です。)
あるいは、この間テレビで見た砂丘の入り口の
砂の壁にぶつかった様な、予測出来ないものに
行き先を遮られて、ただただ佇んでしまった。

惰性に流された生活に、一撃を加えられる時が
何時かは来る。
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そしてその時、立ち直れるかどうかは、
その人が、どう本気で立ち向うかだと思います。
大きな打撃を受けて落ち込み、大きなドツボに
落ちれば落ちる程、その人は成長して行く。
その辺の過程が上手く書かれていると思いました。
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それと平行して、医者の家庭のいざこざが描かれていますが、
主人公の精神状態が伝わり、家庭と言うものがあっての
社会人だと教えてくれます。

医者の家庭らしくそれぞれが自分の立ち場で成長して行くのは、
物語の結びとして明るく、読み終わった時に、
良い感じで本を閉じれます。
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前半部に、医者としての立ち場や問題点を挙げて、
今の社会問題等も折り込んであり、随分勉強為さったのだと
思いました。
物語を構成し、裏付けを取り、1人1人の人間の存在が
実際に成り立つか?
実際に頭の中で、家の中を歩かせ、街を歩かせてみるのでしょうか?
今度ryoさんにお尋ねしてみたいです。
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物語の中で、不自然無く動き回る登場人物達。
その物達に、心を吹き込んで人格を形成して初めて
物から者へと成り立って行くのでしょうか?

現代社会の性虐待や心の病気を取り上げながら、
暗い話に終わらずに済んだのは、闇と光の境界線
ギリギリの所を光を見ながら書かれたからでしょう。

過去にも高齢化の問題や、都会の孤独を書かれて、
何処かに社会問題を、提起されるryoさんの作品に、
私はこの方の懐の深さや、社会を見つめる厳しくも
優しい眼差しを見る様で好きです。




(8/21  8.399歩  8/22  5.594歩)
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by magic-days | 2010-08-24 23:16
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先日本屋さんで思わず手にした本である。
最近本に対する食指が、麻痺してしまっていた。
しかし、この三浦哲郎の「おふくろの夜回り」を見た時、
既に手に取っていた。
表紙が「おぼろ月に輪舞する子供達」山口薫さんの作品が、
とても良いのです。
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傍に立っている3頭の馬(?)、
大きな丸い今にも消えそうなおぼろ月が、
輪を作って踊る子供達の頭上で、優しく眺めている。
全ては夢の様に儚く、闇の中で其処だけが
幸せな時間を思い出させてくれる。
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一生を通して、母の懐の中で暮らした子供の頃が
1番安心して頼り切って生きていた時代だった。
この表紙が、この本の中で書かれている事を、
的確に表している。
この本を読んで、その感想を山口さんが絵にしたのでないかと
思う程である。
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しかし、それはない。
この本は今年6月に発行されたものであり、
絵は1968年に描かれ、今は京都現代美術館が保管している。
1度実物を見たいものだ。
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三浦さんの本は、しみじみと懐かしく私の子供の頃を
昨日の事の様に鮮やかに思い出させてくれた。

そして、現在の心境や暮らしぶりに、
大いに共感させられた。
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暫く手元に置いて、ペラペラと読み返してみたい
そんな気持にさせる本である。

今日は、大きな台風がやって来ている。
災害が無い様にと祈る。



(7/30  6.542歩  7/31  11.188歩  8/1  4.455歩)
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by magic-days | 2010-08-12 11:10
急遽 ご報告!(追加記載4/24 16時)
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私の目算は、大いに狂いカルガモの雛が誕生しました。
昨日の夜か、今朝早くの事だと思います。
逆算して3/27日頃卵を産んだと想像されます。
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この可愛い事!
毎年何度見ても嬉しい光景です!
すでに多難な前途が待っていますが、
取りあえず、おめでとう!
これこそ、エンゼルベイビーです!(笑


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関西の方で、4月に創刊されました「旅かばん」の創刊号に
ryoさんの作品が掲載されていると言うので、
早速読みました。
作品は「エンゼルベイビー」 水木怜
_________________
エンゼルベイビーとは、生を受け乍らこの世に生まれ出れなかった
命の事です。私も初めて知りました。
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1人の女の身勝手から、この世に送り出されなかった命。
その行為の罪深さに、術後気が付き逃げる様に
現実社会に逃避した女ー茜が、キャリアを重ねて
自分の望みを手に入れた36才の年に
再びその事に直面させられる。
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その時別れた男は、茜の大学時代のもっとも
目立たない平凡な女ー弥生と家庭を築き、
3人の子供に恵まれていた。

此処に現れた弥生は、優しく家庭的で思いやり深い女とされている。
しかし、優しいと言う事が場合に依っては、相手を傷つけ憎しみを生む事がある。
本当に真から優しくてもそうなのだが、
この弥生の場合は、打算が匂うから余計に疎ましく思われる。
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しかし、それは当人にしか分からない事だから、
結果理解者の無い茜は、益々弥生を憎む事に成る。
人間は、自分が気が付かない所で、人を傷つけて生きている事がある。
人は、どんな物を抱えて生きているかは分からないから、
自分の行為が、誰かを不快にさせる等想像がつかない。

だが、この弥生には自分の行為が、茜を傷つける事を知って
優しさを装い乍ら言っていると文面から感じられる。
なぜ?弥生はそんなことをするのか。
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考えられる事は、茜に対する劣等意識だと思う。
見かけも頭脳も落ちる自分、学生時代華やかなグループを
端の方で眺め乍ら、遂には自分はグループの中央に座る事は無かった負い目。

だが今は、茜と別れた男ー和彦と家庭を持ち、
3人の子供を育て家庭人として揺るぎない信頼を得ている。
自分の幸せを茜に認めさせたかったのだろう。
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茜は和彦と弥生の娘を、自分が殺した娘の、生まれ変わりの様に可愛がっていたが、
弥生に追いつめられて、その子を道連れに死のうとするが、
その子の恐怖の叫びが、この世に生まれ出なかった子供の声と重なり、
我に返り、泣き続ける子供をなだめて、家に送り届けるのだった。

茜はやっとこの世に、送り出してやらなかった子供の、弔いを済ませたのだと思う。
子供に依って、命を学び命の重さも知らされた。
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初めから終わりまで、茜に起こった事は死なせた娘が、送った試練ではなかったか。
「私の事は、まだ終わってないのよ。」
「この事が終わらない限り、ママは前に進めないのよ。」と・・・

若い時やり過ごせたと思った事が、ある日突然眼の前に現れて
逃れきれないと思う事は無いでしょうか?
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その時、腹をくくって受入れなければ、何時迄も前には進めない。
同じ所をグルグル廻って、行き場を見失ってしまう。
茜は、或る意味このエンゼルベイビーに、救われたと言って
良いのではないだろうか?

ryoさんの作品は、何時も私に問題を提起して来る。
今回は人間の罪深さであり、命の尊さである様に思われた。



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by magic-days | 2010-04-23 22:19
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書き手と読み手が1つの物語を挟んで、向き合う時
その両者の思いは1つでない事があるし、全くぴったり重なるときもある。
私は、よく写真に付いても言うのだけど、
「ブログに載せた時、その写真は撮り手を離れて1人歩きし始めたのだから
私がどう感じようと自由ですよね?」って・・・・

そう前置きして、書き始めると一寸気が楽に成りました。(笑
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今回の2つの作品「緋色のリボン」と「TENDER LOVE」は、
多分書かれた時期は違うと思うのですが、
奇しくも同じ主題を持っている様に思えます。
前者は子供の時、家庭内暴力を受けていた女性が、
嫁ぎ先の姑から、家庭の暖かみを受けて成長して行く過程を
描いている。
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後者は、夫が他の女性と駆け落ちし、残された心臓病の幼子を
抱えて生きて行く姿を描いた作品です。

今の世の中で、よくある人間模様である。
そして、この事態が改善されず悪い方に転がった時、
そこに犯罪の匂いが漂って来る。
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しかし、そこに人間愛がある時悲劇は回避される。
人間は皆全てに満たされて生きている訳でない。
自分が持っている物で、一寸隣で困っている者を包み込む事で、
両者が満たされ孤独で無くなる。
後者の作品は、その事をより強く言おうとしている。
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離婚、高齢者の孤独、家庭内暴力、小児難病。
現代の社会問題を描き乍ら、そこに社会派と言う枠を作らずに
作者は、1人の人間がその日その日を、一生懸命生きる姿を描き、
その渦に巻き込まれて行き乍ら、助けるつもりが自らも助けられ
自分の生きる場所を見付けて行く姿を暖かく描いている。
こんな不況な世の中でも、貧しくとも暖かな気持で
生きていけれる事を教えてくれる。
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前々回の本文に書いた
「愛されている者は強い。そして愛する者を持つ者は強い。」
と書きましたが、もしかしたら水木 怜さんも同じ思いなのだろうか?
これは、私の勝手な思い込みですが・・・
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世界中の人に愛する者が居て、誰かに愛されていたら、
この世の中から、少し不幸が減って行く様に思います。
そうじゃないでしょうか?
今回は、沢山の問題提起を頂いた様な気がします。
ひょいと軽く渡された物が、意外にも重いんですね。


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by magic-days | 2010-02-18 23:24
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