「泣き虫ハァちゃん」

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年末のやらなきゃ成らない事いっぱい抱えながら、
こういう時に限って読みたい本に出会ってしまった。
河合隼雄先生の「泣き虫ハァちゃん」です。
河合先生の最後の本です。
河合先生はこれからの渾沌とした時代に無くては成らない人だったと
思います。
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河合先生が亡くなられた事により、人生の指針を無くしたと
思われた方も沢山いらっしゃると思います。
でも先生は、沢山の著書の中から私達を見守り語りかけて下さるのです。
私達に聞こうとする耳が有る限り。

この「泣き虫ハァちゃん」は奥様の解説に依れば、
フィクションだけど、先生の子供の頃のイメージそのものだそうです。
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先生が脳硬塞で倒れられたと新聞に小さく出てから、
その後何も情報が入らず、私と娘は随分心配しました。
あー言う先生だから、あんまり騒いで欲しく無いのだろうと、
次の情報が発表されるのを待って居ました。

そう思っていたその時先生は病院で、ある雑誌の連載であったこの本の続きを
書いてあったのだと知りました。
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この本が、自分が世に送る最後の本かも知れないと
思われていたかは分からない。
だが、それに近い心境だったと思う。
そう思いながら読むと実にこれは、今から社会に進む者と
送る大人達への最後のお話だと思えた。
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心して読むべきである。
ここぞと思う時、大人は子供を子供だからと侮る事なく、ちゃんと向き合って
1人前の人間として聞いてやらなければいけない。
子供は、素直な気持ちで思いっきりの思いで大人に訴えなければいけない。

子供を取り巻く大人達の接し方で、1つの生命が真直ぐ伸びていけるか
どうかの大切なキーポイントになるかも知れない事をそれとなく
感じておきたい物です。
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この本の中で先生は、故郷の丹波篠山の野山を駆け抜け、
一生懸命自分の中の「むしゃくしゃした物」と戦うのです。
優しい両親と頼もしいお兄さん達、理解有る先生に囲まれて、
人生で最初の山を超えて行くのです。
先生は病院のベットの中で、幼い日を懐かしく思い出し、
この事だけは、書いておきたいと思われたに違い有りません。
「ハァちゃん、ありがとう!」

挿し絵(岡田知子)が素晴らしいです。
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by magic-days | 2007-12-30 22:25
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