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「風の果て・下巻」

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「風の果て・下巻」を日曜日の台風到来の日に、
思わぬ事で時間が出来殆ど読み終え、次の日散歩先の井の頭公園の喫茶店で
読み上げた。
何かに憑かれた様に読むのはなんでだろう?

もしかしたら、今の窮地の理由や打開策が浮かんで来るかも知れないと言う
気持ちが無いとは言えないかも知れない。
時は江戸時代後期、侍の実力も威信も消えつつある時である。
貧しい小藩が生き残る道は、ひたすら開墾であり農業であると
信じる又左衛門が得た物と無くした物。
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こんな時彼はなぜ無くした物(友)を掛け替えが無いものと思い、
得たもの(広大な農地)は、どうでも良かった物ではないかと
後悔するのだろう?
人は各々歩く道が違う。だから得る物も失う物も違う。
自分だけが失っているのではない。
失う物が違うから人のは見えないだけなのだと思う。
だから人を羨ましいと思ってはいけない。
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それは、思い上がりである。
5人の道場仲間が、外に出て歩き出して年と共にその歩く道は
離れて行く。
そして行き着く先では、仲間の顔も見えない程開いてしまった。
自分の信じる道を歩いて来たと自負しても、
こんな時その気持ちも揺らぐ。

ただ彼と舅との交流と舅への尊敬の念が最後迄貫かれた事は、
救いであり、爽やかな風の舞の様に感じる。
by magic-days | 2007-10-30 23:55
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