「風の果て・上巻」

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藤沢周平の「風の果て・上巻」読了。
先週からNHKで放送が始まっている。
実はそれと平行して読み進んで行こうとか思っていたのだが、
ちょっと甘かった様で先が気になって
ドラマの進展を待てずに読んでしまいました。

この方の登場人物像はしっかりとしている。
頭の中でしっかり出来ている。と言うかこの方自身なのかも知れない。
若い頃の道場仲間が、青春に別れを告げ現実社会に入り込み、
家柄で容赦なく隔てられて、対等に接しられたのは道場の中だけだった事を
色んな事件や場面に立たされて、嫌と言う程知らされる。
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冷や飯食いから何としても這い上がりたいともがき、婿として迎え入れられた
先の家の格に依って将来が決まって行く理不尽。
社会の仕組みは今も昔も変わらない。
自由になったと言うが、大きな枠組みはそんなに簡単に
取り払わられない。

藩の為と言いつつ、自分の家(派閥)大事なのも今の政治家も同じである。
変わったのは上辺だけで、中身は「100年1日のごとし」である。
主人公は、婿に入った家を土台に自力で上へ登ろうとする。
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義父も彼に機会を与えたのは、主人公の力を見抜き藩を借金の泥沼から
這い上がらせて欲しいと思っていたのだろう。

自分の力を過信していた彼に、今の立ち場の違いを思い知らせる
道場仲間だった男の態度にハッと気付き、否定出来ない事に
深い傷を負う。
ここの主人公の心の動きが、これからの物語を大きく変えて行く
きっかけになるのではないかと期待している。
後編が楽しみである。
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by magic-days | 2007-10-25 00:12
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