「橋ものがたり」

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藤沢周平の「橋ものがたり」をやっと読了。
この時期野暮用があり、読書の時間が結局削られました。
テレビ台を少し低い物に買い替えたので、居間の模様替えと
ビデオテープを随分整理した。
そして今日換気扇の掃除を頼んでいたので、
台所も片付けたり、この際と思ってやっていると
次々と片付けるべき物が出て来て終りが無い。

藤沢周平の出会いは、テレビドラマ「蝉しぐれ」でした。
主人公(風林火山の山本勘助をやってる俳優)がとても良かった。
朴訥な地方の下級武士らしさが出ていて好演でした。
それから幾つかの映画を見て、お嬢さんの遠藤展子さんが
書かれた「父・藤沢周平との暮し」
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そして今回やっと藤沢作品にまみえる事になりました。
この本は橋を折り込んだ10の短編小説からなっています。

主人公はどの話も市井の職人や商人達や賭博師達です。
1話終わる毎に「今度のが1番良かったなぁ」と
しばし小説の世界に浸っております。
次ぎを読むと「この方が・・・」と胸詰まらせ、その繰り返しでした。
だったら1番最後のが1番良いかと言うと、最初のをぺらぺらと
捲ると「やっぱりこれが1番かな?」と思う。
それ程に人情が豊かな方なんですね。
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物語の中心を占める女性が我慢強く賢く瞬時の判断も的確に
描いてあるのは、奥様の事かしらと思いました。
最初の奥様は早くに亡くなられましたが、再婚なさった相手の女性は
とても素敵な方だと、お嬢さんの本に書かれていましたから、
身近な人間像がどうしても反映されるのではないかと思いました。

10の話は、別々の話の様で1人の女、1人の男の一生の
移り変わりの様にも錯覚してしまいます。
ある話では若い女の時、ある話では親戚の子、ある話では身を落した
若く無い酌婦と見て読むのも面白い物です。
人間の一生は、どうなる事やら明日は我が身である。

昔の町人の娘や妻は、父や夫によって境遇が変わってしまう
不確かな生活が今よりもっと強かったのでしょう。

井上ひさしさんがこの本は、しとしとと雨が降る日に読むのが
良いと書いてありましたが、私も偶然ですがそんな日に読み
どっぷりと藤沢の世界に浸らせて頂きました。
亦時を得て何か読みたいと思います。
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by magic-days | 2007-09-13 19:57
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