「博士の本棚」

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小川洋子著「博士の本棚」を読み終える。
この本は小説ではなく、彼女の本箱の中からの選りすぐりの
本達の紹介であり、感想である。
彼女の仕事机の一番取り易いとこに置いてある「アンネの日記」
同じく村上春樹の「中国行きのスロウ・ボート」
この2冊と同じくらい頻繁に登場する武田百合子の「富士日記」
犬好きの人らしくカレル・チャペックの「ダーシェンカ  あるいは小犬の生活」
「なるほど・・・なるほど!」と読んで行く内に左手の親指は、
早く次のページを捲るたくて指をずらして一枚紙を送ろうとする。
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合間にどうして作家になったか?成りたかったか?等
御自分の事も書かれている。
書き詰まった時、アメリカの雑誌「ニューヨーカー」の編集長が
作家達に言っていた
「あなた以外にこれを書ける人はいないんですよ」と言うのと
同じ思いを送ってくれた編集者達の励ましと、何としても
書き続けさせると言う姿勢に押された言う。
私達は、やはり色んな人々に支えられて生きているのだと知らされる。
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この方の日常生活がちょこっと書かれてあるが、分別ゴミの当番や
向かいの御主人の通夜のお手伝い等、むしろ私よりも地域と密着して
生きてあるのに驚く。
「私は直木賞作家なのよ!」と言ってそんな当番なんか飛ばして
戴いているのかと思っていた。(俗っぽい考えで恥ずかしい!

普通に生活出来る事の幸せも心得てある。
本当に普通の人として自分を捉えて、何で私が講演会やサイン会へ
出て行く人間なのか?と言うか「私でもいいのかしら?」と尻込みしている
本当に可愛らしい女性である。

この方が選びだした本には「おっ!」と驚く様な物もある。
そんな所が普通の人に終わって居ない所以なのだろう。
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最後の方になると私は何時も「もう後少しで終わっちゃう!」と
お別れを嫌がる子供みたいに左手の親指がしっかりペ−ジ数が
少なくなって薄くなった裏表紙と数枚の紙を握りしめている。

最後に「死の床に就いた時、枕元に置く七冊」と題して
とっておきの本があげてある。
うん、私もこれから思い当たる本は違う棚に並べて行こう。
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by magic-days | 2007-08-23 15:51
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