「死ぬのは恐い・・・」

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今朝の新聞に河合隼雄先生の逝去の記事が出ていた。
去年やはり朝日新聞に入院の記事が載っていて、
その後気を付けて関係記事が出ないかと見ていたが、
全くそれっきりだった。
退院されたのならお知らせが出るはずである。
それが今日唐突に終止符が打たれ、ぼーと紙面を見つめてしまった。

先日読んだ「大人の友情」にこんな事が書いてあった。
長いので簡単に略して書きます。

『死ぬのは恐い。そんな私に死ぬのはこんな事だよと
教えてくれたのが、白州正子さんだった。
白州さんが病気をされて瀕死の状態の時に、見守る人達に
「大丈夫、大丈夫」と言われた。
その後病気が直られてお会いした時、その時の事を話して下さった。

意識が朦朧としている時に、ふと気が付くと1人で山道を歩いていた。
ところが、桜の花が満開で、それが散りはじめ、その花吹雪のなかを、
これなら1人でゆける。と思って「大丈夫、大丈夫」と言われたらしい。
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しばらくして白州さんは亡くなられた。悲しくはあったが「大丈夫」と
いう白州さんの声が聞こえてきた。
あちらに行くと白州さんが待っていて下さって、
悪戯っぽい目を輝かせて「ねっ、凄い花吹雪だったでしょう」
と言われるのを想像した。』

私は訃報の知らせを見ながら、直ぐにこの事を思い出し、
河合先生は、死ぬ時も怖がらず、桜の花道をにこやかに歩かれ、
渡った先に白州正子さんが待っていて、今頃「綺麗でしたよ!」と
手を取り合って再会を喜びあっていらっしゃるかも知れないと思いました。

臨床心理学という難しい分野を独特の関西弁で、私のような無学な者にも
興味を持たせて下さった事を感謝します。
専門分野の者同士で頷き合い、そこに独特の階級を作る学者が多い中で、
河合先生は講演会や雑誌に投稿され、臨床心理学と言う物の存在を
知らしめられたのです。

御冥福を心からお祈り申します。
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by magic-days | 2007-07-20 22:17
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