ポチ子とはな子

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以前から井の頭自然文化園に行ってみたいと
思いつつ機会を得られなかった。
今日は思いもかけず少しの時間が出来たので、
思いきって途中下車して立ち寄る。
切符を切ってもらう時、「象のはな子の場所はどこですか?」と尋ねた。
彼女に会えれば良いかなと思っていたのがこの言葉を言わせたのだろう。
教えてもらった順路を辿って行くと遠くからでも
その姿は捉えられた。

私は、今朝読み上げたばかりの小川洋子さんの「ミーナの行進」に出て来る
カバのポチ子の事を思い出していた。
(生まれも育ちも違う2人の従姉妹のある一年間の物語ですが、
カバのポチ子も重要な登場人物なのです。)
ポチ子が高齢で亡くなった時、池の中でポッカリ浮かんでいた。
誰にも看取られずでも苦します穏やかな死だった。
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亡骸が草の上に上げられた時、ポチ子のお腹にお乳が見えて、
女の子だったんだと気付く。一度も子供を産まずにそのお乳を
含ませる事無く死んで行ったポチ子が哀れに思えると作者は書いている。
はな子を見てると私は「貴女はどうだったの?」と尋ねていた。
深い皺に刻まれた貴女の今迄の記憶の1つ1つは、
もう忘れてしまったかしら?
私も良い事だけ忘れないで生きて行きたい。

2人の従姉妹が過した一年間の芦屋での生活がその後の
自分を守ってくれると信じていた様に。
それだけこの2人はあの一年間を懸命に生きたのだろう。
いつも出来る限りの事をしたいものです。
その行為が後の生きる支えと成る様な・・・・
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by magic-days | 2006-12-01 18:23
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