懐かしい人々
例のごとく亀の歩き並の鈍さで小川洋子さんの「犬のしっぽを撫でながら」を
読む。
「犬の・・・」と付いているからと言ってペットとの交流のみの本ではなく
むしろこの方の自己紹介とでも言いましょうか?
それは表紙を見れば分かりますが、少女が標本箱に入っているのが
ユーモアを解する人だと思い読む前から楽しくなる。
前作「博士が愛した数式」(私はこれですっかりFanに)直後に書かれた
物である事は明白で、「博士の・・」を読んでいて疑問に思っていた事が
私の気持ちを推し量って書かれた物のようにすっきりと書かれている。
そして読みながら「あれ?これは何処かで読んだ様な章だなぁ〜」と
思ってつくづく考えていたら、何かの本を買いに行った時に
どうも立ち読みしてたらしい。(苦笑
物忘れが酷くなる。
この方の子供時代は私の子供の頃の思い出に似ている。
夕飯を囲みながら野球観戦(この方は物凄い勿論タイガース贔屓で、
私は西鉄ライオンズ!)に夢中になり、味方が勝って大騒動で喜ぶ頃には、
父親はビールを飲み過ぎて寝っ転がっていたという結末が同じなのが
笑える。
但し年代が大幅にずれるので、ナイターと言う物は小さい頃は余り
無かったと思う。何時からだったかナイターになった時、その明るさに
吃驚した。芝生の青さが目に染みました。
随所にこの方の優しさが匂い立ち久しぶりに心が浄められ、
懐かしい時代に帰り挨拶を交わして帰って来れた様な長旅を終えた
充実感も味あえました。
又、いつかお会いしましょう!
ところで、この間鴨ちゃんが元気なのを確認して池の真ん中迄付き出た橋を
渡って戻って来てたら、4〜5人の男の方に擦れ違った。
「おはようございます!」と頭をちょこっとしながら挨拶をしていたら、
皆さん掌に小さいパンを持ってある。
「あれ?」と思って顔を見るとちょっと恥ずかしそうに照れ笑い。
鴨ちゃんや亀さん、鯉に朝ご飯持参です。
「わぁ、素敵!恥ずかしがるなんて・・・」
朝から気持ちが和み嬉しい1日の始まりでした。
by magic-days
| 2006-06-09 08:11