春うらら

f0086169_20221085.jpg

    「周平独言」     藤沢周平    中央文庫

長い事抱えていてやっと読み終えた。
エッセイ集と言う事だったので、軽い気持で藤沢周平の
あれこれを楽しみ乍ら読もうと思っていた。
ところが450ページ程の半分は、歴史書の様な物で、
私には最も苦手な物であった。
f0086169_23265776.jpg

その中で「一茶という人」というのは、興味深く読んだ。
藤沢周平自身が書かれた「一茶」という本を読んだ時、
私が抱いていた一茶像と余りに現実の一茶が違うので、
私は一茶が嫌いになり、胸くそが悪い思いをした。
そう思ったのは私だけでなく、書いた藤沢周平自身も
同じだったとこのエッセイに書いてあったので、
私は嬉しくなった。
f0086169_23284666.jpg

前半を忍耐に忍耐を重ねて読んだ末に、
やっと本来のエッセイになったときは、
「今まで良く我慢して読んでくれた。
 此処からはそれに対するご褒美だよ。」と
言われた様な気がして、嬉々として読んだ。(笑
面白くも懐かしい様なエピソードが出て来て、
子供の頃遊んだ野っ原の草の匂いに包まれている様な感じがした。

f0086169_23304162.jpg

     「真夜中の手紙」   宮本 輝   集英社

これを読み乍ら、こういう内容でも本に成るのかと思ってしまう程
バカバカしいと言えば、FANの皆様にお叱りを受けるでしょう。
これは宮本輝が御自分の公式サイトの登録メンバーに宛てたメールを
123通選ばれて編集された物です。
f0086169_2332086.jpg

仕事を終えて寝る前、お酒を飲み乍ら、音楽を聴き乍ら、
時には落語を聞き乍ら、返信メールされたあれこれで、
おかしくて苦笑いしたり、バカバカしいと怒ったりしながら、
私も就寝前、疲れて堅くなった頭をフヤフヤにフヤカしてもらって
熟睡致しました。
眠れぬ夜のお友達と申しましょうか?(笑

f0086169_23324467.jpg

     「星月夜」   伊集院静    文芸春秋

伊集院静が初めて挑んだ推理小説と言えば、
「読まずに置く物か!」という意気込みで読みました。
若い頃貧しさと国が違う差別とに見下げられて育った男が、
混乱に乗じて富と女を手に入れて行く。
f0086169_23343070.jpg

どんよりと暗い闇の中を、手探りで進んで行くと
行く手に1人の男の燃え上がる激しい火柱が見えて来る。
如何にも伊集院静の世界である。
今まで彼の自伝的な作品が多かった。
それは自分をさらけ出したかったのだろうか?
背負って来た物が余りに大きかったから・・・・・
f0086169_23363466.jpg

そして何か新しい事に向かいたかったのかも知れない。
何処か松本清張の世界観に似て、悲哀と人間の底知れない恐ろしさを
感じるが、憎む事が出来ない。
それほどに人間とは、悲しい生き物なのかも知れない。
[PR]
by magic-days | 2012-04-04 23:41
←menuへ