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川風

7/25
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神田川を歩くと言うと、大抵は久我山から井の頭方面へ
遡って行く事が多い。
しかしこの日は、反対に神田川を下る事にした。
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駅前のざわついた空気が、清水橋を越えた所から落ち着き、
風景も急変する。
川に沿って花壇が並び、右岸は鬱蒼とした木々が川に覆い被さっている。
私は時々柵に身体を載せて、川底を覗きながら歩く。
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川の水は、透明度があり綺麗だが、ビニール袋のゴミが捨てられてる。
こんな事をする人の気持が分からない。
ビニールは水に溶けない。何時迄も形が残る。
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さっき迄泳いでいたカルガモが、疲れたのかそれとも虫が居たのか、
護岸塀に沿った、狭いコンクリートの上に、2羽窮屈そうに並んでいる。
「私が探してる子を知らない?」と聞いてみたが、
向こう岸迄声は届かない。
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私は彼らに別れを言って、もう少し先迄下る事にした。
頻繁に水分を補給しながら、行った距離戻らなければいけない事を、
心に言い聞かせる。
此処はバスも電車も、タクシーも通らないのだから・・・
急に心細く成って、戻ろうかと思った時、
暗い川底に白いものが目に入った。
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「コサギだ!
 何て事!
 コサギに会えるなんて・・・」
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柵の間からカメラで狙うけど無理だった。
少し追いかけて、柵の上にカメラを置いて花を踏まない様に
手を伸ばして狙うが、餌を探しながら、
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コサギは、ドンドン川を登って行く。
それを後から追いかけると、如何しても嘴が切れてしまう。
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コサギは、私に気が付き方向転換して、川下に飛んで行った。
柵に足を掛けて覗き込むと、もう追いかける勇気がない程
一気に飛んで行って、「此処までおいで!」と言う様に
こちらを見ている。
悔しいけど、昨日の疲れが未だ取れてない今日の事、
諦めて久我山橋に向かう。
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来る時は向日葵が咲いてるのに気が付いていたが、
花は逃げないからと帰りに撮ろうと思って居た所に、
先客さんがいらっしていた。
その方はスケッチをしてある。
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私は邪魔に成らない様に、何枚か撮ってそそくさと失礼した。
探し物は見つからなかったが、素敵な出会いがあった。

私のリュックには、玄米2キロと2つの桃が、
グンと重みを増して肩に食い込んでいた。

少しタンブラーの冷茶が無くなりかけたので、
駅前のセブンイレブンに駆け込む。
身体の熱がサァーと引いて行った。
ペットボトルのお茶を、氷の入ったタンブラーに入れて坂を登り始める。


(7/25 10.203歩)
by magic-days | 2010-07-28 21:58
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