’10鴨日記(高源院)7/10から7/17
やっと暑さが納まった4時頃、私は散歩に出た。
もう雛は居ないだろうと、高源院の門を潜って鴨池に廻る。
一面のコウホネと睡蓮の葉の波が静かに揺れていた。
目を凝らして、一昨日雛が居た方を見る。
小さい人差し指と親指で作った円位の雛が、
ちょこちょこと動いている。
生きていたなんて!
予想外の事実に私は、こんな小さい物の生命力の
強さを感じて感動した。
動き回りながら、始終何かを拾い食いしている。
人間が何も与えないでも、ちゃんと餌を選び食し、
生きて行く本能を、身につけているのか?
それとも僅かな間に親に学んだのだろうか?
たった1羽で、無心に餌を拾い泳ぎ回る幼い雛。
今日は、カルガモAもカラスも何も居ない。
散歩の途中で寄った人も、遠くに居る小さい雛に
気が付かない。
そっとしておきたい!
誰にも邪魔されずに、無事に育って欲しい。
やっと残ってくれた1羽。
何羽のヒナ達が犠牲に成っただろう。
それにしても親鳥は、帰って来ないのだろうか?
私だって、どんなに可愛い雛でも何時迄も
見張っていて上げれないよ。
そのとき大きな羽音がして、雛の傍にカルガモの成鳥が着水した。
親鳥は、早く戻りたかったに違いない。
何か理由があって戻れなかったのだろう。
力一杯飛んで来たものだから、親鳥は着水と同時に
前のめりに成って、少し水の中に嘴を突っ込んでしまった。
やっと雛の元に戻って来て、雛が無事だった事を確認出来て、
どんなに安心した事だろう。
そして雛は、遅かった親鳥に何と言ってるだろう。
親子は直ぐにコウホネの中に消えて行った。
何処に居るのか、私にも見付ける事が出来ない。
このコウホネの葉の下で、親子は何を話しているのだろう・・・
最後の写真追加しました。
7/12
私が、御堂に立つと親鳥が私に気が付いて、雛を懸命に探し始める。
こんな事が何度か有ったが、何か人間が来ると不安なのだろうか?
雛を自分の傍に置いておきたいのかと思った。
上から見ている私の方が、こちらにやって来る雛を見付けて
「ほら、彼処に居るよ。」と言うと、何と親鳥はそちらを振り向いた。
まさか、私の言ってる事が分かる筈ないよね?(苦笑
帰り際に、御堂の下を覗くとカルガモAが居た。
親子の直ぐ傍に居たのに、親子は逃げようともしなかった。
と言う事は、この2組はテリトリー争いをしてないと言う事に成るのかな?
7/13
親鳥でもなく、カルガモAでもないカルガモが倒木の上で
寛いでいた。この子は前にカルガモAが戻って来た日に、
やはり池に居た子である。この子をカルガモDとしておこう。
親子は、元気に姿を見せてくれた。
変わりはない日が続く、嬉しい事である。
7/15
この日は、暫く待ったが親子は現れなかった。
久我山に出かけるので、時間が何時も寄り早かった。
1番暑い時間だったから、中之島かコウホネの影に居たのかも知れない。
野良シャム猫の飼い主を道ばたで見かけたので、暫し立ち話をしていると、
先日カルガモAが雛を連れて逃げようとした場所が、
もしかしたら、高源院の門を出て真っ直ぐ行った突き当たりの
元岩崎女子寮の敷地内の小さな池じゃないかと教えて下さった。
そこは、今立ち入り禁止地区で確かめる事は出来ない所である。
此処にも大きな蛇が住んでいるそうである。
7/17
夕方散歩がてら行ってみる。
15日姿を見なかったので、心配していたが元気だったので安心した。
2羽を見ているとすっかり落ち着いていた。
雛は泳ぐのも葉の上を歩くのも、早く成った。
歩くと言うより走っていると言うのが相応しい。
カラスが池を見張ってる姿も最近は見受けない。
この雛は、無事に大人になってくれるかも知れないと思った。
何より親鳥が賢い。子育てに掛けてはベテランの様な気がする。
帰りに御堂の下を覗くのが癖になっている。
今日はカルガモAは居なくて、自信は無いがカルガモDが居た。
この子が居座っているのが、深い意味があるのだったら、
どんなに嬉しいだろう。
余り期待はしないでおこう。
by magic-days
| 2010-07-10 23:03