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アイガモ


’09.11.1

高源院の鴨池は、今変化が起こっています。
事の起こりは、先日の台風です。
雨も上がったので、鴨池の様子を見に行きました。

想像していた通り、何処からかカルガモ達が台風を避けて
避難していました。
その1団(7、8羽)の中に、一寸変わった毛色の子が居ました。
回りのカルガモより、大きい鳥です。
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鴨と言うか?何と言ったら良いのか?
初め私は、この変わった子が1団のボスだと思っていました。
カルガモとマガモの合の子で、通称マルガモと言うのは、
何羽か見た事があります。
首に白い輪が付いていたり、胸元が赤茶っぽかったり、
でもこの子は、全く初めて見る子でした。

「此処の住人たちは?」と見ると対岸の端の方に固まって様子を見ていました。
他所からカルガモの1団が避難して来たりする事は、珍しい事ではありません。
そんな時でも、こんなに固まって離れた場所に、居る事は有りませんでした。
この子達が、畏れているのはあの大きな未知の鳥でしょう。
次の日、避難していたカルガモ達は何処かに移動しました。
でもあの子は、残りました。
此処の住人のカルガモに近付きますが、さり気なく避けられます。
そして又その次の日、とうとうカルガモ達は自分の住処を離れていなく成りました。
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その次の日。あの子は1人で池に居ました。
ただ身体が大きいので、怖がられているだけなのでしょう?
本当のところは、分かりません。
只分かる事は、あの子は乱暴者でないと言う事です。
他の子を追いかけ回したりしません。

「ただ、遊ぼう!」と寄って行ってるだけだと思うのですが・・・
カルガモのいない池は、淋しくシーンとしています。
空には、ヒヨドリの声が相変わらず空間を縦横無人に
交差しています。
湖面を時々カワセミが猛スピードで、駆け抜けて行きます。
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でもあの子は、きっとそんな物は慰めに成らないのでしょう・・・
カルガモさん達に帰ってきて欲しいのでしょう。
私も、今のカルガモのママのママから見て来たのです。
そんなに簡単に、この池を見捨てないで欲しいです。
そして今日。

カルガモ達が帰って来ました。
今年生まれた3羽と秋になると顔を見せるマルガモと共に。
もし間違いなければ、このマルガモはパパであり、
今年の相方になるのかも知れませんが、そんな事は可能なのでしょうか?
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「あの子は、どうしたかしら?」と見渡すと、
居ました!御堂の傍の倒木の上で毛繕いをしていました。
見ていると、白い産毛が沢山取れて水面に浮いていました。
心無しか胸の所が茶色く成って行っている様な気がするのですが、
あの子は、今から少しづつ変化して行くのでしょうか?
どうであれ、皆仲良く暮らして欲しい物です。
’09.11.2

あの子は、マルガモではない様です。
今1番候補に上がっているのは、アヒルとカルガモの合の子です。
大きさは別として、体型がアヒルに似てます。
そしてこの子は、飛んでこの高源院に来たのです。
その他には考えられません。
飛べない鳥は、高源院の鴨池には来れません。
'09.11.4
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気まぐれさんが、あの子が羽を広げてる写真を見れば、
私が、あの子が飛べないと言う事を納得出来ると言ってあったけど、
「それは、無理でしょう?」とお答えしていた。
あの子が毛繕いをしているのを見た事はあっても、
羽を広げてるのは、見た事が無かったからです。
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しかし、今日高源院は沢山のカルガモ達が飛び立って行って、
此処の主達、子ガモ3羽とマルガモ、そしてあの子と他にカルガモが2羽程残って、
穏やかな水辺に戻っていた。
そしてあの子もすっかり寛いでいる様子だった。
御堂の下で数羽のカルガモと休憩していた時に、
一寸羽ばたいてくれた。
その光景を見て、気まぐれさんが仰っていた様に、
あの子の羽は短くて、とてもカルガモより大きな身体を浮かせるだけの
馬力が有るとは思えなかった。
そして今の結論は、あの子はカルガモとアオクビアヒルの
間の子で、アイガモである事。
そして多分飛べないから、誰かが投げ入れたか?
放ったかだろうと言う事です。
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このアイガモが、居たり居なかったりすれば飛べると言う事に成る。
しかし、どんな時もこの池に居たら飛べないアイガモと言う事に成ります。
この池は、お寺の池ですからもしかしたら、お寺の方が放たれたかも知れません。
もう少し続けて観察して行きますが、今の所は、そう言う事に落ち着きました。
皆様にも、気を持たせてしまったかも、知れませんね。
気まぐれ師匠、この度もお世話になりました。有り難うございます!

カルガモ達もアイガモを迎え入れた様です。
傍に居ても逃げようとしません。
此処のカルガモは、余り外の生活をしてないので、
このアイガモ程大きい鳥は見た事が無かったので、
恐かったのでしょう。
この月は、今夜の月です。
穏やかな月では有りませんか・・・・
'09.11.7
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今日何時もの様に、高源院の鴨池の側に立っていると、
背後から「おはよう御座います!」明らかに私に向けて声が
掛けられたので、振り向くとお化粧っけの無い、健康その物の
溌剌としたお顔が笑っていた。
そして、古木の上で寛いでいるアイガモを見て
「あんなとこに上がって、元気そうで良かった!」と
仰るので、私はびっくりして
「あのアイガモご存知なんですか?」と言うと、
「ウチの学校で飼っていたのですが、色々な事情で
 動物小屋を取り壊す事に成って、ニワトリや他のは貰って下さる
 学校が有ったのですが、この子だけ貰い手が無く困っていたら、
 高源院さんに、池が有るから頼んでみたらと仰る方がいて・・・・」
それでこちらの御住職の奥様に頼まれたそうです。
ただ、カルガモが多いから、苛められるかも知れないと言われて、
心配に成って来てみたそうである。
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私は、此処に来た多分翌日から、見て来た事を全て話すと、
喜ばれて安心されたようである。
この子は、やはりアイガモで、もう大分年寄りだそうです。
この方が赴任為さる前から居たそうで、学校に来る前の経緯は
ご存じないそうです。
話しながら袋の中から、綺麗に切ったパンをアイガモ君に
向かって投げられると、彼はいそいそと来てパクパクと食べていた。

彼は、先生の事は覚えていなくても、このパンに覚えが有るに違いない。
長い間与えられて来たパンを忘れる筈はない。
カルガモ達も寄って来て、仲良く食べ出すと先生は、
「良かったね!良かったね!」と転校して行った生徒が
転校先の生徒達に苛められもせず、元気で居るのを
心の底から喜んでいらっしゃる様に見えた。

この子は、この池で人生を全うする事に成るだろう・・・・
この子は、気まぐれさんが推測された様に飛べないそうである。
普通のアイガモより幾らか大きいのは、雄だからと思うと
仰りながら、本当言うと知識は深くないのだと仰っていた。
私は、この子が此処に現れた経緯が分かって、本当に安心したと言うと、
私も、この子が元気にやって行けそうなので安心しました。
話を伺えて良かったとも仰って下さったが、
それは、こちらも同様である。

不思議な物で、このアイガモの素性が分かると、
この子の行動にも理解が出来て来た。
この子は水鳥の友達も居ず、水が少しばかり有る
小屋の中で生活していたので、カルガモが珍しくてたまらない。
お友達になりたかったに違いなかった。
それは全身で訴えていた様に思う。
子供らに可愛がられて過ごした何年間と、全く違う水が多く
中之島だけが陸と言う、今迄と真逆の此処で環境に慣れて
素敵な余生を過ごして欲しいです。
'09.11.13
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上の写真の子は、ご存知高源院のアイガモ君です。
この子は、その後カルガモさん達に混じり元気にしています。
数日の間に、捨てられた水鳥に2件も合う何て、頻繁に有る事なのでしょうか?
ペットを飼う時には、その生き物の成長した状態を想像し、
生態も調べて、今の住居でも飼えると言う確信を得て飼って欲しい物です。
そして、生涯を共に暮らして欲しい物です。
'09.1.14
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最近、又カルガモの数が増えて来た。
この間は、アイガモが1羽で淋しそうだったが・・・

今日、一寸変わった毛色のマルガモが来ていた。
何時も見ない鳥である。
過眼線の先に緑色の斑がある。
色んなのが居るものだ。
'09.2.12
(2/20元気な最後の姿)
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つい最近、アイガモさんの姿が見えない事に気が付き
探した所、もう動かない身体の半分が水の中に沈んで
羽だけがそのままの形で中之島の岸辺(一寸死角になる場所)に
打ち上げられた様に浮いていました。

気まぐれ師匠の所には、アヒルとマガモの合の子の
アオクビアヒルさんがいます。
先日お聞きしたのですが、このアオクビアヒルさんは
もう多分、5、6才にはなっていると
仰っていました。
(1/22)
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このアイガモさんは、学校の先生にお聞きした時、
「自分が赴任する前から居たので、詳しい事は分からないけど
年寄りだと思います。」と仰っていました。

多分アイガモさんは、寿命だったのでしょう。
写真の整理をしていて、1/22と1/25の写真が、
その最後の模様を物語っているみたいでした。
1/25の写真は少し首の位置が動いています。
少し動けた事が分かります。
そして背中の毛が随分剥がれています。
ですから、1/22から1/25の間にアイガモさんは
天国に旅立ったのです。
それも眠る様に静かに、多分苦しむ事も無かったのだと思います。
(1/25)
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気まぐれ師匠は、
「水鳥の仲間と少しの間でも暮らせて、アイガモさんは
 幸せだったと思いますよ。」と慰めて下さいました。
私もそう思います。

年老いての環境の変化は、大変な負担だったと思いますが、
自分以外の水鳥さん達と過ごした3か月の思い出と
校庭で過ごした子供達の笑顔を抱えて、
アイガモさんは、旅立って行ったのだと思います。
by magic-days | 2009-11-01 20:28
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