桜の形見・一輪草
少女が居ました。
少女の夢は、何処か遠くに行く事でした。
知らない国に行く事でした。
桜の衣をなびかせて、
何時もの様に
春風が心地よい丘に登りました。
丘の上から、遥か彼方を見渡せば、
山又山ばかりでした。
耳を澄ませば小鳥の声が、
聞こえて来ます。
少女に向かって啼いています。
「飛んでおいで!」と言ってるよ。
「一緒に行こう!」と呼んでるよ。
私には羽がない・・・
無茶な事を言わないで!
「飛んでみた事がある?」
「ないわ・・・飛べるわけないもの。」
「飛んでみた事もないのに、どうして分かる?」
「そうさ、ほらっ両手を広げてご覧!」と
他の小鳥も言いました。
少女は、魔法にかかったみたいに、
小鳥が言う様に、桜の衣の袖をふわっと空に
投げました。
すると、袖は真っ白な鳥の翼になり、
少女は、山々の峰を超えて自由に空を
舞い泳ぎました。
山寺の屋根に止まっていた鴉が、
「やぁ、こんにちわ!」と声を掛けて来ました。
「えっ、私に言ったの?」
鴉は、「決まってるだろう」と無愛想に言いました。
少女は、何回も旋回してやがて雲間に
見えなくなりました。
それっきり少女は、帰って来ませんでした。
でも丘の上にいつの間にか、
大きな桜の木が立っていました。
春に成ると、その桜の木の下に
白い可愛い花が咲く様になりました。
少女の夢は、何処か遠くに行く事でした。
知らない国に行く事でした。
桜の衣をなびかせて、
何時もの様に
春風が心地よい丘に登りました。
丘の上から、遥か彼方を見渡せば、
山又山ばかりでした。
耳を澄ませば小鳥の声が、
聞こえて来ます。
少女に向かって啼いています。
「飛んでおいで!」と言ってるよ。
「一緒に行こう!」と呼んでるよ。
私には羽がない・・・
無茶な事を言わないで!
「飛んでみた事がある?」
「ないわ・・・飛べるわけないもの。」
「飛んでみた事もないのに、どうして分かる?」
「そうさ、ほらっ両手を広げてご覧!」と
他の小鳥も言いました。
少女は、魔法にかかったみたいに、
小鳥が言う様に、桜の衣の袖をふわっと空に
投げました。
すると、袖は真っ白な鳥の翼になり、
少女は、山々の峰を超えて自由に空を
舞い泳ぎました。
山寺の屋根に止まっていた鴉が、
「やぁ、こんにちわ!」と声を掛けて来ました。
「えっ、私に言ったの?」
鴉は、「決まってるだろう」と無愛想に言いました。
少女は、何回も旋回してやがて雲間に
見えなくなりました。
それっきり少女は、帰って来ませんでした。
でも丘の上にいつの間にか、
大きな桜の木が立っていました。
春に成ると、その桜の木の下に
白い可愛い花が咲く様になりました。
by magic-days
| 2009-04-03 19:35